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2025.04.30(水)

「しきさい」が観測した近年の日本における展葉
~2023、2024年の高温による春の展葉の早期化を衛星データで確認~

JAXAの気候変動観測衛星「しきさい」※1の観測データを用いて筑波大学の研究チームが解析を行い、近年の日本における展葉(植物の葉の展開)日を推定しました。その結果、春の高温が顕著だった2023、2024年の展葉時期が例年よりも早期化していたことが分かりました。これは、近年の高温傾向が展葉日の早期化といった生態系の変化をもたらしていることを、衛星による広域観測データが示唆していることを意味します。また展葉日の早期化は、その植物の季節変化に依存する昆虫や動物などさらに広範な生態系へ影響することも推測されます。こうした顕著な高温下における生態系の反応を理解することは、将来の気候変動に伴う生態系への影響を定量化・予測する上で非常に重要です。

今回の筑波大学の研究成果は、学術雑誌Scientific Reportsに掲載されました※2。詳細は筑波大学のウェブページおよびプレスリリースをご参照ください。

筑波大学ウェブページ:
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20250417140000.html
筑波大学プレスリリース:
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/pdf/p20250417140000.pdf

※1「しきさい」プロジェクトページ
https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/project/gcom-c/

※2 掲載論文
【題 名】 Impact of high temperature in 2023 and 2024 on spring leaf flush phenology in Japan derived by GCOM-C satellite.(GCOM-C 衛星を⽤いた 2023 年・2024 年の⾼温が春の展葉フェノロジーに与えた影響の観測)
【著者名】 Y. Mizuno, H. Tachikawa, T. Sasagawa, T. Kobayashi, and K. N. Nasahara
【掲載誌】 Scientific Reports
【掲載⽇】 2025 年 4 ⽉ 16 ⽇
【DOI】 10.1038/s41598-025-94623-9
【研究資金】宇宙航空研究開発機構 第3回地球観測研究公募(ER3GCF102)

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