お知らせ
2026.09.15(火)
【インターンレポート】
10日間インターンした学生が見たJAXA第一宇宙技術部門
JAXA第一宇宙技術部門事業推進部は、2026年8月に計10日間、3名のインターンシップ(以下インターン)生を受け入れました。
テーマ「見えにくい“地球観測衛星の意義価値”を見える化する ―政策決定者と国民に向けた価値整理・発信提案―」にチャレンジした3人は、JAXA職員からの講義、資料の読み込みや職員へのヒアリング・討議を経て、最終日にテーマ発表を行いました。
このレポートではその3名の視点を通じて、インターンそしてJAXA第一宇宙技術部門の様子(職員や職場の雰囲気)をお届けします。 就職を間近に控える学生さんによる等身大のレポートということで、JAXAで働きたい新卒の方、転職希望の方にとっても、参考になる情報になっているのではないでしょうか。

古庄さん、滝本さん、宮本さん
古庄さん
Q1:インターンを終えた今の感想を教えてください。
率直に、本当に楽しい10日間でした。
最初は地球観測衛星のことをあまり知らず、どう意義価値を伝えるのか、そもそも伝えたい意義価値とは何なのかと、悩む時間が続きました。
特に難しかったのは、政策決定者と国民という、求めているものがまったく違う相手に、衛星の価値を伝えなければならないことでした。政策決定者に対しては、なぜ国が担う必要があるのかを筋道立てて説明する必要がある。一方で国民に対しては、そもそも関心を持ってもらうところから始めなければならない。同じ事実でも、誰に向けるかで語り方が変わるところが苦労した点であり、同時に面白い点でもありました。
始まる前は10日間を長く感じていましたが、終わってみればあっという間で、あそこはもっと上手くできたかもという反省も残っています。
それでも、それ以上にやり切ったという達成感のほうが大きいです。この3人でインターンに臨めて、本当に良かったと思っています。
Q2:ご自身の成長につながったと感じる講義や体験、職員からのコメントがあれば教えてください。
いろいろな職員の方から、「インターン生ならではの視点は何か」「学生だから出せる意見は何か」と、繰り返し問いかけられました。
この問いに答えるのが一番難しかったです。今はたいていのことがAIで調べられ、要点をまとめることもできる。そのなかで、私たちだからこそ提言できる内容とは何なのか。終盤はずっとそれを考えていました。
明確な答えが簡単に出たわけではありません。それでも、問いを持ち続けたこと自体が、確かな力になったと感じています。
相手が何を求めているのかを、相手の立場に立って考える。この姿勢は、社会に出てからも役に立つと思います。

Q3:10日いて感じた、JAXAの職場の雰囲気への感想を教えてください。
人が非常に温かく、居心地のよい環境でした。
若手からベテランまで、気さくに話しかけてくださる方が多く、こちらから声をかけるのに気を張る必要がありませんでした。お昼は毎日、食堂で職員の方々とご一緒しました。インターンの内容とは関係のない話もすることができ、そうした時間があったからこそ、業務のことも気軽に相談できたのだと思います。昼休みにサッカーをしている方もいて、想像していたよりずっと風通しのよい職場でした。
オフィスはフリーアドレスで、きれいに整えられていた点も過ごしやすかったです。
Q4:インターンを通してJAXAの衛星事業やJAXA職員へのイメージは変わりましたか。変わったとしたらその内容も教えてください。
JAXAは研究開発機構ですし、私自身が理系ということもあり、研究者気質の方ばかりの職場だと思い込んでいました。実際には、今回のインターンのテーマのように、研究以外の側面が数多くあることを知りました。もちろん部署によるとは思いますが、デスクに向かい続ける研究者、というイメージは大きく変わりました。
衛星事業についても、これまで何をしているのかほとんど分かっていませんでした。10日間意義価値を考え抜いたことで、世の中の見え方そのものが変わったと感じています。
たとえば、先日発生したチベットの水害。以前なら「災害が起きた」としか受け取らなかったと思います。今は、これは水災害の重点テーマそのものだと、衛星がどう役立ちうるかを考えるようになりました。
ここまで考えを深められたのは、お忙しいなか時間を割いてヒアリングや議論に付き合ってくださった職員の皆さまのおかげです。10日間、本当にありがとうございました。
滝本さん
Q1:インターンを終えた今の感想を教えてください。
まずは、今回私たちを受け入れてくださった第一宇宙技術部門の方々、特に事業推進部の方々には講義やヒアリング、フィードバックにより大変お世話になりました。
率直な感想は楽しくて、難しくて、あっという間だったというものです。
楽しさの面では、JAXAの専門家の方々からのお話はどれも面白く聞いていて好奇心が刺激されました。加えて、我々がわからないとき、フィードバックを求めた時など優しく事細かに応じていただきありがたく感じたと同時に勉強になりました。
難しさの面では、衛星やその活用における技術的な面です。私は文系出身であまり宇宙や衛星について詳しくなかったため講義やヒアリングのためにも予習や復習が欠かせませんでした。しかし、JAXAの方々の手厚いサポートや仲間のおかげで最後までやり遂げられました。
Q2:ご自身の成長につながったと感じる講義や体験、職員からのコメントがあれば教えてください。
職員の皆様からいただいた発言一つ一つに発表のヒントや私が社会人として、またこれから人間として生きていく中でためになることが含まれていました。
特に広報に関する講義が印象に残りました。もともと私は民主主義における手続としての国民への説明責任という点に興味を持っていたので、国民への訴求の方法など興味深く聴いていました。その中でもPESOという分類(※)は、初めて聞いた概念であり広報の解像度を高めることができました。これからのキャリアにも活かせる知識で勉強になりました。
職員の方々のコメントでは、「インターンであるあなたたちらしさは何なのか」というものが印象に残っています。最終発表直前まで私たちを悩ませたコメントではありましたが、将来仕事をしていく上で、自分らしさを発揮することが難題を突破する糸口であることに気付かされました。
※Paid、Earned、Shared、Ownedの頭文字をとったもので、4つのメディアを組み合わせて戦略を立てるフレームワークのこと

Q3:10日いて感じた、JAXAの職場の雰囲気への感想を教えてください。
JAXAの職場では上下関係はフラットで職員の方々は仲が良いという雰囲気を感じました。また、職場には理系出身文系出身両方の方がそれぞれの専門を活かしながら、協力し合って仕事をしていると感じました。10日のうち筑波宇宙センターで実習を行った8日間は毎日、出社している広報ライン・計画ラインの方々と食堂でお昼ご飯を誘っていただいて仕事のことや職場の雰囲気など雑談をしながら食事をしました。その雰囲気からも職員の方々は上下関係をあまり気にせず、皆が遠慮せず話せる関係なのだと感じました。
働き方についてもJAXAはテレワークの月制限がないので、会議は基本オンラインであり出社している社員の方も毎日7割程度だと感じました。講義や発表でもオンライン参加の方が多かったです。そういった面で非常に働きやすい環境だと感じました。
Q4:インターンを通してJAXAの衛星事業やJAXA職員へのイメージは変わりましたか。変わったとしたらその内容も教えてください。
私がJAXAのインターンに来る前の、JAXAの衛星事業や職員へのイメージはもっとお堅いものでした。JAXAの衛星事業に関しては詳しく知らなかったので、社会の役に立つことなのだろうとはわかっていましたが、難しいことをしているという印象でしかありませんでした。職員の方々に対しても優秀な理系出身の方達がすごい研究をして日本の役に立っているのだと漠然とした印象しか持っていませんでした。
しかし、インターンでの講義やJAXA職員の方々と職場や食事の場でコミュニケーションをとる中で衛星事業の社会的貢献や職員の方々の気さくさ、優しさ、熱意を感じました。衛星事業については主に講義を通して重点テーマや広報、予算獲得のプロセスを学んでいき、最終的には私たちが政府や国民にその意義や価値を伝える立場に変わっていきました。また、職員の方々についても、職員同士協力しながら同じ目標に向かって努力している熱意が伝わりました。
宮本さん
Q1:インターンを終えた今の感想を教えてください。
まず、実際にJAXAの職場で今まで接点のなかった「地球観測衛星」というテーマについて、10日間にわたり貴重な経験をさせていただけたことに、心から感謝しています。全く知識のない状態から最終発表までの短い期間で自分が考え、感じたことを形にすることの難しさを実感しました。正直、もっと自分自身の考えを形にできたのではないかという悔しさも残っています。しかし、皆様から頂いたお話や仕事への向き合い方からJAXAという機関の意義について、確かな学びを得ることができました。また、地球観測衛星について知る中で、そこにまだ十分に知られていない魅力や価値があると感じました。今回の経験を糧に、まずは身近な人からその価値を伝えていくことも、自分にできることの一つだと考えています。第一宇宙技術部門の皆様の温かい人柄にも支えていただき、非常に楽しく、充実した10日間でした。本当にありがとうございました。
Q2:ご自身の成長につながったと感じる講義や体験、職員からのコメントがあれば教えてください。
ヒアリングでは、まず相手のことを知り、質問することが重要だと教えていただきました。当初は知りたい内容について質問を用意すれば十分だと思っていましたが、相手の分野について知ろう、学ぼうとする姿勢が伝わるだけで、反応が大きく変わることを実感しました。地球観測衛星について全く知らない状態から、その見えない価値を伝えるというテーマに取り組む中で、さらに深い話をしていただけることもあり、より有意義な対話につながることを学びました。もう一つ印象に残ったのは、「JAXA職員ではないあなたたちならどう考えるか」という問いです。専門知識の不足から、職員の方の意見をそのまま受け入れそうになることもありましたが、専門家だからこそ考え方が偏ることもあると知り、多角的な視点の重要性を感じました。「いい意味で疑う心を常に持つ」という学びを、これからも大切にしたいです。
Q3:10日いて感じた、JAXAの職場の雰囲気への感想を教えてください。
10日間を通して、JAXAは非常に自立していて規律がある一方で、柔らかく温かい雰囲気を備えた職場だと感じました。どの職員の方のお話からも、JAXAで働くことへの誇りが感じられ、職員同士も積極的にコミュニケーションを取りながら、円滑に意思疎通を図っているように見えました。私自身、十分な知識がない中で質問や発言をすることもありましたが、私たちの興味や疑問に対して、皆様が真摯に、そして熱意を持って答えてくださったことが印象に残っています。そうした温かい雰囲気に背中を押され、私も感じたことを率直に質問したり、発言したりすることができました。それぞれが自分の仕事に責任と誇りを持ち、自信を持って業務に向き合っているからこそ、和やかで温かい雰囲気が生まれているのだと感じました。厳しさと和やかさを両立していることが、第一宇宙技術部門の魅力だと思います。
Q4:インターンを通してJAXAの衛星事業やJAXA職員へのイメージは変わりましたか。変わったとしたらその内容も教えてください。
以前はJAXAといえば、日本の宇宙産業を担う存在であり、宇宙産業といえばロケットや宇宙飛行士を思い浮かべていました。今回のテーマで地球観測衛星について詳しく学び、地球観測衛星が私たちの暮らしに大きな価値を与えていることを知りました。宇宙は多くの人々にとって遠い存在ですが、衛星事業はその遠い宇宙から私たちに働きかけてくれています。JAXAには衛星を利用して私たちの生活に寄り添う身近な存在としての一面もあることが分かりました。また、JAXAの職員の方々も理系や研究職など、文系の私とは無縁のような方が多いのかと思っていました。しかし、専攻に関係なく様々な視点から宇宙産業に真剣に取り組んでいる方が多く、驚きました。さらに、私たちに積極的に声をかけ、細やかに気遣ってくださる方が多く、これまで遠い存在に感じていたJAXA職員の方々を身近に感じるようになりました。

いかがでしたでしょうか。フレッシュな視点で物おじせず発言する3人に、JAXA職員も多くの気づきと発見をもらった10日間でした。多くの時間を過ごした職員からは「ロスですね」「3人がいないと寂しいです」といった声も聞かれました。
第一宇宙技術部門では今後も継続的にインターンの受入れを行っていく予定です。いつかJAXAで働いてみたい皆さん、当記事を参考に、ぜひご検討ください!筑波宇宙センターでお待ちしています。
掲載年から探す
カテゴリーから探す
タグ一覧
-
#だいち4号(ALOS-4)
-
#いぶき(GOSAT)
-
#だいち3号(ALOS-3)
-
#だいち2号(ALOS-2)
-
#だいち(ALOS)
-
#しきさい(GCOM-C)
-
#しずく(GCOM-W)
-
#いぶき2号(GOSAT-2)
-
#いぶきGW(GOSAT-GW)
-
#EarthCARE/CPR
-
#GPM/DPR
-
#ひまわり
-
#LUCAS
-
#つばめ(SLATS)
-
#技術試験衛星9号機
-
#気象・環境
-
#防災・災害監視
-
#表彰
-
#協定・協力
-
#衛星データ利用
-
#施設公開・見学
-
#きずな(WINDS)
-
#教育
-
#きく8号(ETS-8)
-
#こだま(DRTS)
-
#高精度測位システム(ASNAV)
-
#降水レーダ衛星(PMM)
-
#SAMRAI
-
#JAXA地球観測データ利用30年
-
#オンボードPPP
-
#サテライトナビゲーターのお仕事
-
#衛星ユーザインタビュー
-
#ABIE-X
関連タグ
お知らせ に関連する記事
- お知らせ 2026.09.09 (水)
- お知らせ 2026.09.04 (金)
- お知らせ 2026.08.26 (水)
- お知らせ 2026.08.20 (木)
- お知らせ 2026.07.31 (金)