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2026.01.28(水)
『みんなの推し衛星画像に投票しよう』結果発表!(前編)
『JAXA地球観測データ利用30年』特集の第11弾は、2025年11月8日にJAXA筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で開催された「特別公開2025」で実施した企画『地球観測データ利用30年 〜みんなの推し衛星画像に投票しよう!〜』の結果について、前後編でたっぷりお届けします。

本企画では、現在運用中の10種類の衛星搭載センサがとらえた数多の画像から、各センサの担当者が選んだ推しの一枚を紹介文と共に展示しました。ご来場いただいた皆様には、気に入った画像に応援メッセージを書いた付箋を貼って投票いただき、そのお礼に地球観測衛星の特製ステッカーをお渡しいたしました。
上の写真は、特別公開の終了時点の展示の様子です。御覧のように、もう貼るところがないくらいたくさんの付箋が!!当日は、なんと1038票もの投票をいただきました。特別公開への来訪者数は6551人だったので、実に1/6近くの方に投票いただいたことになります。企画担当の予想をはるかに超える投票に、事前に用意していた付箋が不足してしまい、慌てて追加補充するなど、当日スタッフからも嬉しい悲鳴が上がりました。気になる第1位は185票を獲得した「しきさい」に搭載の多波長光学放射計(SGLI)が観測した衛星画像でしたが、他の衛星センサにもたくさんの投票をいただきました。投票いただいたみなさま、本当にありがとうございます。
今回の記事では、みなさまからお寄せいただいた応援メッセージを読んだ、各センサの担当者からの回答を載せています。当日掲示した10枚の衛星画像や応援メッセージの代表例と共にお楽しみください。盛りだくさんの内容のため、前編と後編に分けてご紹介します。
| 衛星名 | センサ名 | 投票数 |
| 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C) | SGLI | 185 |
| 温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」(GOSAT-GW) | TANSO-3 | 140 |
| 水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W) | AMSR2 | 115 |
| 雲エアロゾル放射ミッション「はくりゅう」(EarthCARE) | CPR | 102 |
| 温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」(GOSAT-GW) | AMSR3 | 98 |
| 全球降水観測計画「GPM主衛星」 | DPR | 87 |
| 先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4) | PALSAR-3 | 86 |
| 陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2) | PALSAR-2 | 79 |
| 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT) | TANSO-FTS | 74 |
| 温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2) | TANSO-FTS-2 | 72 |
※各センサ名をクリックすると、それぞれの項に飛ぶことができます。
水色項目の衛星センサについては『みんなの推し衛星画像に投票しよう』結果発表!(後編)をご覧ください。
多波長光学放射計(SGLI)- 圧巻の色彩美!「しきさい」が観測したエベレスト

| センサ名(搭載衛星) | 多波長光学放射計SGLI(気候変動観測衛星「しきさい」) |
| 観測日 | 2022年12月2日 |
| 観測場所 | エベレスト |
| 使用チャネルなど | R:G:B=VN8(赤):VN5(緑):VN3(青)を色調調整した。 |
<担当者のおすすめポイント>
■エベレストは8849メートルの標高を誇る、言わずと知れた世界一高い山。ネパールとチベットにまたがるヒマラヤ山脈に位置しています。登山をするには過酷なチャレンジですが、衛星画像では険しくも美しいその姿を簡単に確認できます。地球温暖化の影響はエベレスト周辺にまで及んでいて、近年、気候変動による氷河の減少が報告されています。「しきさい」では、日々の変化や長期間の変化を捉えています。(T.A.)
■色鮮やかな地球の表面は、まるで芸術作品のようです。「しきさい」は非常に優れた感度で19種類の光を観測可能なセンサを持ち、250mの空間分解能で地球全体をくまなく観測しています。ちなみにエベレスト山頂は画像の中心からやや左の白い領域にあります。(K.T.)
<応援メッセージからの抜粋>

<担当者からの回答>
沢山の投票ありがとうございます。色彩美が美しいというお声が多くうれしいです。宇宙から地球を「見る」ことは、これほど多くの人の心を動かすのだということを改めて知ることができました。「しきさい」は、人の目で見ることのできる可視域だけなく、赤外や紫外域の観測もしていて、陸域だけなく、海域、雪氷域、さらにはエアロゾルの観測もしています。画像はInstagram(@gcom_jaxa)などでも公開しておりますので、ぜひ、フォローしてみてください。
温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)- 初観測

| センサ名(搭載衛星) | 温室効果ガス観測センサ3型 TANSO-3(温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」) |
| 観測日 | 2025年7月14-16日 |
| 観測場所 | 全球 |
| 使用チャネルなど | バンド2(767nmでの観測) |
<担当者のおすすめポイント>
■いぶきGWに搭載されたTANSO-3の初観測は7月14日から7月20日にかけて行われました。この画像はまさに初観測といえる7月14日から7月16日にかけて取得したデータにより作成されたものであり、3日間の広域観測で、全球を観測できることを示しています。また、画像からは分かりませんが、この1つ1つの画素(観測地点)で、分光データが取得できることを考えると、非常に楽しみな画像です。(M.S.)
■今年の6月に打ち上がったばかりのいぶきGWに搭載されたTANSO-3という温室効果ガス観測センサ3型が地球全体を観測した画像です。人間に例えて言うならば、生まれたばかりの赤ちゃんの産声に近いのかもしれません。これから過酷な宇宙空間でその役目を果たすべく、力強さと頼もしさを感じた1枚です。(H.M.)
■いぶきGWのTANSO-3では大気の色を見ています。
みなさん、酸素の色を見たことがありますか?この画像は、地球をくまなく10kmで観測し、地球大気の酸素の吸収を約千色に分解した中の、ある1色の画像になります。地球大気の二酸化炭素濃度を正確に測るためには、地球大気の約20%を占める酸素量を正確に測る必要があるのですが、学校では教えてくれない話です。(K.S.)
<応援メッセージからの抜粋>

<担当者からの回答>
140票ものメッセージを頂き、ありがとうございました。一つ一つメッセージに目を通しました。<担当者のおすすめポイント>にも書きました通り、今回のTANSO-3の画像は宇宙空間で初めて観測した画像を組み合わせたものでした。これから温室効果ガスを宇宙から観測するという役目を果たすべく、力強さと頼もしさを感じることができました。高度約666kmから地球を見続けますので、時々空を見上げた際にTANSO-3を思い出してもらい、地球環境のことを考えるきっかけにしてもらえたらと嬉しいです。
以下は、それぞれのメッセージへの回答です。
- 応援ありがとうございます。がんばります!つぶらな瞳がかわいいなと思いました
- 地球温暖化対策は一人一人の取り組みが大切だと思っていますので、ぜひ一緒にやっておきましょう。まずはできることからコツコツと。
- ご期待に応えられるよう、JAXAだけでなくTANSO-3ミッション関係者一同でがんばっていきます!
- Thank you for your encouraging message! Keep conscious of the Earth environment together!
- そうですね。これからも地球が美しいと思えるようになってほしいと思います。一緒に守ってゆきましょう。
- まさに地球はかけがえのない存在だと思います。これからの人たちにこの大切な惑星を引き継いでゆけるようにしてゆきたいですね。応援メッセージ、ありがとうございます。
高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)- AMSR2が捉えた台風直下の海上風速

| センサ名(搭載衛星) | 高性能マイクロ波放射計2 AMSR2(水循環変動観測衛星「しずく」) |
| 観測日 | 2020年9月5日 13:35(日本時間) |
| 観測場所 | 日本近海上の2020年台風10号 |
| 使用チャネルなど | 左図がAMSR2全天候海上風速プロダクト、右図は気象衛星ひまわりが捉えた雲画像を重ねた。 |
<担当者のおすすめポイント>
■海からのエネルギー供給で発達する台風。正しく台風の進路を予測するためには海の情報が知りたいのに、海上で発達する雲は時に衛星観測の邪魔をします。高性能マイクロ波放射計(AMSR)シリーズは、そんな雲を透過して、海の情報を私たちに届けてくれる気象予報の心強い味方です。(E.Y.)
■JAXAの高性能マイクロ波放射計(AMSR)シリーズは、厚い台風の雲を透過して海上を観測でき、台風直下の海上風速も捉えることができます。この画像は、AMSRによる先進的なマイクロ波放射計観測によるリモートセンシングの有効性を象徴する一枚と言えます。(K.A.)
■JAXAの地球観測センサの中で、世界各国で最も実利用されていると自負しています。日本に近づく台風も、地上レーダの範囲外ならAMSR2にお任せ!(M.K.)
<応援メッセージからの抜粋>

<担当者からの回答>
皆様から115票ものご投票をいただきました。たくさんの応援メッセージも、本当にありがとうございます。2012年5月に「しずく」に搭載されて打ち上げられたAMSR2は、設計寿命5年を大きく超え、運用14年目に突入した現在も観測を続けています。今回の特別公開では、台風の雲に隠れて容易に近づけない海上の風速を、マイクロ波で観測している様子を皆様にお伝えできて、とてもうれしく思っています。台風は生活を脅かす自然の猛威のひとつですが、その発達過程や進路を正確に予測するためには、まだ解明すべきことが多く残されています。EORCは、衛星観測が皆様の安全・安心に貢献できるよう、これからも研究と開発を進めていきます。
以下は、それぞれのメッセージへの回答です。
- あなたも「しずく」というお名前なのですね。少しさみしいですが衛星の「しずく」も卒業して次の世代のAMSR3にバトンを渡すのも遠い将来ではなくなっています。その日まで、「しずく」とAMSR2ができるだけ長く頑張れるように応援してもらえるとうれしいです。
- AMSR2が時々刻々と収集している観測データは確かに天気予報に貢献していますので、間違いではないので、素直に喜びたいと思います。
- この特別公開の機会に、我々の仕事を知って頂けたのであれば本望です!
- 実際に利用されている方から応援のメッセージ、とてもうれしいです!より良い情報にするために、現場の情報を教えて頂けると我々も助かります。
- ありがとう、AMSR2も、昼でも夜でも、雲を通して海と陸を、大気の水蒸気や氷粒まで、めっちゃ見ています!
- 世界の人々の生活にさらに役立てるように、これからも研究・開発を進めていきます!
雲プロファイリングレーダ(CPR)- はくりゅうがとらえたハリケーンの「眼」

| センサ名(搭載衛星) | 雲プロファイリングレーダCPR(雲エアロゾル放射ミッション「はくりゅう」) |
| 観測日 | 2025年9月28日 18:28(世界標準時) |
| 観測場所 | 米国東海岸沖 |
| 使用チャネルなど | 94GHz |
<担当者のおすすめポイント>
■2024年6月の初観測以降多くの台風やハリケーンを観測してきたはくりゅうですが、ついにハリケーンの中心「眼」の構造をとらえることに成功した、激レアな一枚です。はくりゅうの雲レーダCPRは、雲粒や雨滴の上下方向の運動速度が測れるので、台風内部の上昇流や下降流のようすがわかります。台風の構造は科学的に未解明な部分が多いので、台風の内部がまるごと見えるこの一枚は、まさにはくりゅうのCPRならではです!(M.M.)
■2024年5月に打上げられたEarthCARE衛星(はくりゅう)搭載のCPR(雲プロファイリングレーダ)が、1年以上の観測を通して初めてハリケーンの眼を捉えた激レア画像です。CPRは衛星直下を地表面において750mという限られた範囲で観測しているため、ハリケーンの眼をちょうど通過して観測できたのは極めて稀なケースで、はくりゅう搭載の他のセンサの観測結果と合わせて、今後のハリケーンや台風のメカニズム解明や予測の改善に貢献することが期待できます。(K.M.)
■台風・ハリケーンの急所…それはやはり「目」です!雲の中を観測できるEarthCAREが上空を通過した際、初めて捉えたハリケーンの中心部です。技術でも魔法でもないこんな巨大な一種の雲ができるのは本当に不思議ですが、実は内部を直接観測するのは最近までとても大変でした。災害を引き起こす怖い現象ですが、こうして急所の内側まで衛星の目で見えてしまうと、また違って見えるように思いませんか?(K.R.A.)
<応援メッセージからの抜粋>

<担当者からの回答>
「はくりゅう」へのたくさんの応援メッセージ、ありがとうございます。「はくりゅう」の雲プロファイリングレーダCPRは、雲内部の上下の動きまで見ることができる世界初の衛星センサです。ほかにもいろんなセンサを同時に使って雲・エアロゾルを観測し続けているので、メッセージをいただいたとおり、はくりゅうは「たくさんのこと」を頑張っています!宇宙から観測するこうしたデータは、気候変動予測や数値気象予報精度の向上に必要不可欠な大切なものです。「はくりゅう」から生まれる科学的成果が、みなさまの生活を持続可能で安心安全なものにする日が来るよう、いただいた温かい応援のお言葉を胸にいっそう努力してまいります。
高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)- AMSR3がついに捉えた極域の氷雲!

| センサ名(搭載衛星) | 高性能マイクロ波放射計3 AMSR3(温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」) |
| 観測日 | 2025年8月16日 |
| 観測場所 | 北極域 |
| 使用チャネルなど | 観測データ(18.7 GHz V偏波, 89.0 GHz V偏波, 165.5GHz V偏波)を、 視覚的に分かりやすくするため光の三原色である 赤(R)、青(B)、緑(G)にそれぞれ割り当てて合成した。 |
<担当者のおすすめポイント>
■輝度温度の散乱特性の違いにより、雨雲(明緑色)と氷雲(薄紫色)での見え方が明らかに違っており、高周波バンドの特徴を反映した一枚だと思います。黄色点線は、雨から雪に変わる境界線を示しており、AMSR3観測とは独立な気象データから判定されたものですが、この線の内側と外側で、実際に雲の特性(色の見え方)が変わっているところも、面白い点だと思います。(K.O.)
■これまで観測されていない極域の氷雲の分布を、AMSR3に新たに搭載した高周波バンド(165.5GHz)で捉えた画像。本画像は初期チェック中のデータのため物理値に変換できませんが、今後のAMSR3の活躍が期待される一枚です。2025年9月5日のAMSR3初画像のプレスリリースでも報じた一枚です。(K.A.)
■先々代AMSR&AMSR-E、先代AMSR2ときて、AMSR3で三代目となり、そうするとどこが変わったの?何が新しいの?と必ず聞かれますが、ここが新しいのです!今後の活躍も乞うご期待!!(M.K.)
<応援メッセージからの抜粋>

<担当者からの回答>
皆様から98票もの投票を頂きました。たくさんの応援メッセージ、どうもありがとうございます。今回の特別公開では、「いぶきGW」に搭載され、2025年6月29日に打ち上げられた高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)の役割について、皆様に少しでも届けることができたのかな、とうれしく思っています。頂いたコメントにも、「頑張ってね、長生きしてね」と応援の言葉がありましたが、AMSR3は直径2mアンテナをブンブン振り回しながら元気に観測を続けています。現在は、観測データの初期チェックを終え、各プロダクト作成を担当する研究者と協力して、2026年6月のプロダクト提供に向けた準備を進めている段階です。引き続き正しい観測データを利用者に届けるための調整を進めていますので、これからも見守って頂けるとうれしいです。
以下は、それぞれのメッセージへの回答です。
- がんばってくれるはず!
- 悪くするか良くするかは人間の選択です。衛星は見守るだけなので、我々自身が考えてアクションにつなげましょう!
- AMSRシリーズのデータは、利用者登録するだけでG-Portalから無制限に使えます。ですが、ここで提供している衛星データは数字の塊なので、初心者にはちょっと扱うのが大変かもしれません。そんな場合は、AMSRビューア。地球に重ねてAMSRデータを簡単に見て確認することができます。また、Webブラウザ上でJAXA衛星データを使った簡単な分析ができるJAXAアース・ダッシュボードも提供しています。もし、興味が深まったらJAXA Earth APIにも挑戦してみてください。
- 我々の目的も達成です!(特別公開は、知ってもらうことが目的なので・・・)
- JAXAではWebサイトやX(旧ツイッター)などでもホットな情報を発信しています。ランチのおともにチェックしてみてください。
- 温室効果ガスは、文字通り大気を温めます。その結果、地表面からの蒸発が促進されます。また、暖かい空気はより多くの水蒸気を含むことができます。すると、雨が増えます。さらに水蒸気は温室効果ガスでもあるため温室効果がより促進される、といった関係があります。まだまだ解明されていないことがたくさんありますので、JAXAの衛星による地球観測データがそれを解明するためにお役に立てると考えています。
ここまでの結果、いかがでしたか?この続きは『みんなの推し衛星画像に投票しよう』結果発表!(後編)をご覧ください。
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