イベント

2025.10.06(月)

宇宙の日(9月12日)大阪・関西万博での一日
「知り、理解し、予測し、行動する-宇宙のデータでひらく未来社会-」

<イベントレポート>

9月12日は「宇宙の日」です。1992年に毛利衛宇宙飛行士が日本人で初めてスペースシャトルで宇宙へ飛び立った日に定められています。本年2025年9月12日は、大阪・関西万博会場内のExpo2025 大阪・関西万博 Future Life Village FLEステージにてJAXAの宇宙科学研究所と第一宇宙技術部門が万博コラボイベント「知り、理解し、予測し、行動する -宇宙のデータでひらく未来社会-」を開催いたしました。

現在は油井 亀美也宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しており、日本人が宇宙にいることも増えてきましたが、まだ多くの人にとって宇宙は遠いところです。その為、直接宇宙を見ることや、宇宙から地球を見ることは難しいですが、探査機や人工衛星は私達の代わりに日々宇宙や地球をみて、その情報を我々に届けてくれています。

動画:宇宙のデータでひらく未来社会

イベントでは3部構成で、特別公開の動画とともに、JAXA職員がそれぞれ担当する探査機・地球観測衛星で観測した宇宙のデータに関するトークセッションを行い、参加者の皆さまにはタブレットやご自身のスマートフォンを使用して実際に観測データを見ていただきました。

動画はYouTubeのJAXAチャンネルでも公開しておりますので、是非、皆様もご覧ください。
宇宙のデータでひらく未来社会

宇宙のデータについて語る!

宇宙のデータについて熱く語る担当者達

今回のイベントは、地球と地球以外の天体のデータを取得するJAXAの二つの部署が共同で実施しました。第一宇宙技術部門では地球の周りを回る人工衛星の観測で取得された、日常生活の様々なところで活用されているデータを扱っており、宇宙科学研究所では地球の重力圏を離れて航行する探査機によって得られた、地球以外の天体のデータを扱っています。

宇宙科学研究所 科学衛星運用・データ利用ユニットの中平 聡志からは「宇宙を知る、宇宙で遊ぶ ~探究心が作る未来~」と題し、惑星探査や天文観測など日常からはかけ離れて見える観測データが、実は私達の生活や未来にとって重要であることが紹介されました。また、「DARTS ~誰でも宇宙の科学者になれる場所~」で気軽に利用できるWebアプリを使って、それらのデータを活用した体験が実施されました。第一宇宙技術部門のイベントだけでは見ることができない、コラボイベントならではの惑星探査などの観測データを紹介いたしました。

第一宇宙技術部門 地球観測研究センターの小原 慧一からは「~宇宙から地球の”水”を観る~」と題し、マイクロ波放射計AMSRシリーズが20年以上観測を行っており、漁業や気象予測など身近なところで観測データが役立てられていることが紹介されました。また、「JAXA Earth Dashboard」を用いて、AMSRの観測データによって海面水温の比較を紹介しました。

同じく第一宇宙技術部門「だいち2号」のミッションマネージャと「だいち4号」のプロジェクトマネージャを兼任する勘角 幸弘からは「~宇宙(そら)とだいちの間に~」と題し、「だいち」シリーズが地震などによる地殻変動の動きを見ることができ、「だいち」シリーズの特徴である電波の透過性により、大雨の際は浸水した地域を把握し、防災に役立つ情報を提供できることや、農業や森林伐採の情報にも役立てられ、船舶や海氷の状況といったことも把握でき、幅広い範囲で活躍している様子を紹介いたしました。

沢山のお声をいただきました!

観測データを熱心にご覧になっている参加の皆さま

当日、ご来場いただきました方々、ライブ中継をご覧いただいた皆様、ご参加いただきありがとうございました。 会場で観測データをご覧いただいた方々の感想の一部をご紹介いたします。

DARTS の小惑星探査機「はやぶさ2」の探査データをご覧になって
(JAXA職員と一緒に画像をご覧になられて)「感動した「はやぶさ」のデータなどが見られてうれしい!」

JAXA Earth APIの海の温度を比較できるページ「海の温度をくらべてみよう」をご覧になって
「地球が温かくなってきていることを改めて実感した」
「海面水温が上昇していることで、生き物たちにも影響を及ぼしているのだろうと思った」

JAXA Earth Dashboard」で干ばつに関するデータをご覧になって
「2023年8月と2025年8月の干ばつデータを見比べてみると、2025年の方が渇いていることがわかった。実際、今年は雨が少ない印象で、データと実体験が一致していた」

Google Earth Engine Apps」の2007年と2017年の森林分布の変化を確認することができるページをご覧になって
(年中のお子さん)「緑が減っている!」
(自分たちが昔住んでいた場所を見て、小学生のご兄弟)「森林が変化している!そして、地形も変わっている!」

地球温暖化や森林伐採といったことは知識として知っていても、実際の観測データを見ることでまた違った観点からも気づくことができたのではないでしょうか?

JAXA宇宙科学研究所・第一宇宙技術部門 万博コラボイベント 特設サイトでは当日イベントでご紹介した観測データを見ることができるサイトを掲載しています。
是非、当日参加いただけなかった皆さまも宇宙のデータをご覧になって、地球や生命の大切さを学び、いのち輝く未来社会について一緒に考えてみてください。

<豪・米パビリオン表敬訪問>

表敬訪問の様子(左:アメリカ館、左から2025年大阪・関西万博米国パビリオン大使 ウイリアム・E・グレイソン氏、藤本 正樹、瀧口 太 右:オーストラリア館、左から瀧口 太、オーストラリア陳列区域政府代表  ナンシー・ゴードン氏、シャロン・ビグネル氏)

この機会にJAXA第一宇宙技術部門 部門長の瀧口 太理事がオーストラリア館およびアメリカ館を、宇宙科学研究所 藤本正樹所長がアメリカ館を表敬訪問しました。アメリカとオーストラリアには宇宙協力で日頃お世話になっております。

アメリカ館では、宇宙が展示の大きなテーマの一つになっており、長年に亘る日米間の宇宙分野での協力が、今回のアメリカ館での展示でも大きく取り上げられていることについてグレイ大使からご発言があり、藤本・瀧口両理事からもこれまでの協力について感謝をお伝えしました。

オーストラリア館では、オーストラリア外務貿易省 2025年大阪・関西万博オーストラリア館 陳列区域政府代表ナンシー・ゴードン氏(右写真中央)、同パートナーシップ・プログラム副課長 シャロン・ビグネル氏(右写真右)と対談を行いました。小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」のカプセル回収や、アジア太平洋地域の国際協力プロジェクト「センチネル・アジア」を通じた山火事の衛星モニタリングを例に挙げ、宇宙分野における協力関係を確認しました。

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