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2025.09.29(月)
【イベントレポート】沖縄美ら海水族館とコラボイベント
「深海と宇宙-2つのフロンティアー」
沖縄美ら海水族館とJAXA第一宇宙技術部門のつながり
『JAXA地球観測データ利用30年』特集の第6弾は番外編として、2025年8月23日~31日に沖縄美ら海水族館にて行われた沖縄美ら海水族館とJAXA第一宇宙技術部門地球観測研究センター(EORC: Earth Observation Research Center)のコラボイベント「深海と宇宙-2つのフロンティアー」の様子をご紹介いたします。
本イベントのきっかけは、2021年9月24日に行われたサテナビのオンライン座談会企画「海と宇宙の最強タッグで、自然を守り、新しい世界を切り拓く。」です。座談会後も沖縄の海をこよなく愛するJAXA第一宇宙技術部門EORCと沖縄美ら海水族館との関係はつながり、2025年に沖縄美ら海水族館のジンベエザメ「ジンタ」君が飼育30年、EORCの『JAXA地球観測データ利用30年』を迎えるという互いの縁を改めて強く感じ「30年」を節目としたコラボイベントを開催する運びとなりました。

沖縄美ら海水族館の「ジンタ」君は1995年3月より飼育されており、当時は全長4.6m、体重800㎏という大きさでしたが、2025年1月時点で全長8.8m、体重6000㎏と長さ約2倍、重さ約7.5倍に成長、世界最長の飼育記録を持つジンベエザメで、飼育データはジンベエザメの生態解明に大きく貢献しています。
沢山の方々にご来場いただきました!

イベント期間中は約4000人もの方にご来場いただきました。中にはこのイベントの為にお越しくださった方もいらっしゃり、実際にフェアリング(※1)やサーマルブランケット(※2)に触れていただき、「なぜ太陽電池パドルが2つ付いているの?」などと熱心にご質問いただき、JAXA職員の解説もより熱が入ったものになりました。
沖縄美ら海水族館全体で行われたスタンプラリーではジンタ君やサテキャラちゃんのスタンプが押され、達成された方にはコラボ記念ステッカーをプレゼントいたしました。
また、沖縄美ら海水族館のイベントホールでは「深海と宇宙-2つのフロンティアー」という、“深海”と“宇宙”どちらも人間が行くことが難しい場所で、深海生物や地球環境に向き合ってきた両者の展示が行われ、イベントホールの入口にはなんとサテキャラちゃんが!今回のイベントの為に沖縄美ら海水族館のスタッフの方が作ってくださいました。
深海のコーナーでは深海をテーマとしたパネルの他、2023年まで実際に沖縄の深海を潜って調査していた遠隔操作型無人潜水艇(ROV:Remotely Operated Vehicle)の実機が展示されました。深海は暗くて、冷たくて、高圧の世界ですが、このROVはそんな場所でも調査や採集を行うことができ、15年間で111回もの潜航調査を行い、159種の生物を採集、新種を4種、日本初記録種を4種も発見し、大活躍していたものです。
宇宙のコーナーではこちらも人工衛星の実機を展示と言いたいところですが、実機は宇宙を周回中でお見せすることができないので、数で勝負と地球観測衛星の模型8基と衛星の紹介パネルが展示されました。人工衛星の人気投票も行い、来場者の皆さん、”推し”をどれにするか、衛星外観や特性をじっくりご覧いただきました。今回のイベントでは、先日打ち上がったばかりの温室効果ガス・水循環観測技術衛「いぶきGW」(GOSAT-GW)を推す方が多かったようです。

風鈴の工作ワークショップではJAXA衛星が観測した海面水温等のデータを使用した地球モチーフの風鈴作りが行われました。難しい部分もあったようですが、JAXA職員と共に頑張って作ってくれました。
今後の海洋生態系の研究と地球観測のコラボに期待!

8月30日には沖縄美ら海水族館館長の佐藤 圭一さんと、JAXA 第一宇宙技術部門 地球観測研究センターの吉澤 枝里によるトークショーも行われました。吉澤は先日のH-IIAロケット50号機による「いぶきGW」打上げのライブ中継では解説も担当していたので、打上げの様子を語ると共に、JAXAの地球観測衛星が天気予報の精度を高める事に利用されていることや環境問題にも貢献していることなど、色々な分野で観測データが利用されていることを話しました。
佐藤館長からは「人工衛星が観測したさまざまなデータを集めれば、ジンベエザメの赤ちゃんがどこで生まれるのか分かるのではないか」と、まだまだ不明な点が多いジンベエザメの生態を明らかにするための研究に、人工衛星の観測データが役に立つかもしれないと期待がこもったお言葉を頂きました。
最後に
沖縄美ら海水族館の皆さま、本イベント開催にあたり大変なご尽力をいただき、ありがとうございました。このイベントを通して沖縄美ら海水族館の研究の目的である海洋生態系や自然環境の保全等に対する、衛星観測情報の利用可能性についても沖縄美ら海水族館の皆さんと共有できましたので、またコラボイベントが実現できればうれしいです。
また、YouTubeの「JAXAサテナビチャンネル」では近日中に本イベントの様子を配信予定です。お楽しみに!
※1:フェアリング
ロケット先端に搭載する衛星を、ロケット打上げ時環境から保護するために付けられるカバーのこと。大気圏外に出ると取り外される。
※2:サーマルブランケット
人工衛星の表面をおおっている金色のシート。(衛星によって、黒や白の物もある)直接太陽の光を浴びる100度以上と太陽光が当たらず-100度以下となる温度差の激しい環境下から人工衛星の内部の機器などを守るためにつけられている。
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