新たなレーダ観測衛星の官民連携に関する情報提供要請（RFI）

1．背景・目的

（1）令和5（2023）年6月に改訂された宇宙基本計画においては、「先進レーダ衛星（ALOS-4）に続く、JAXAにおける新たな観測衛星の開発に当たっては、産学官による議論を踏まえつつ、宇宙技術戦略のローリングの中で、宇宙利用の将来像、自律性、我が国の技術的優位性を整理しながら検討していく。その際、欧州でプロジェクトメイキングの段階から民間の意見を取り入れステージゲート型の官民共同開発プログラムを実施している等の国内外の事例や、複数の衛星ミッションを統合的に利用する観点、社会実装や国際競争力強化に不可欠な予見性・継続性の確保の観点も踏まえながら、検討を実施していく。」とされています。

（2）また、令和6（2024）年12月に改訂された宇宙基本計画工程表においては、「新たなレーダ観測衛星の開発の検討」について、内閣府、文部科学省、農林水産省、国土交通省等が2025年度にかけて実施することとされています。

（3）これらを踏まえ、JAXAでは、我が国が強みを有するLバンドSAR技術及び衛星システムの高度化に関する検討を進めるとともに、衛星地球観測コンソーシアム（以下「CONSEO」と言う。）と連携し、CONSEO光学・SAR観測WGにおいて、新たなレーダ観測衛星ミッションや民間事業者が整備する小型SAR衛星群を組み合わせた将来SAR観測のあり方について議論を重ねてきました。同WGでは、これまで、将来SAR観測の利用ニーズやアウトカム（便益）、将来SAR観測システムの複数のオプションについて検討してきており、さらなる検討の深掘が求められています。

（4）さらに、JAXAが第5期中長期計画において推進する、自然資本の把握とクレジット創出、海洋状況把握、インフラ管理・防災DX等の分野における「重点テーマ」の取組においては、設定した具体的で大きな便益（リターン） の獲得に向けて不可欠な要素の一つとして、新たなレーダ観測衛星ミッションの活用が想定されています。

（5）本情報提供要請（RFI：Request for Information。以下「本RFI」と言う。）は、これらの状況を踏まえ、政府における「新たなレーダ観測衛星の開発の検討」に対して、より魅力的なオプションを提案するため、同衛星ミッションにおける官民連携の可能性について、アイデアをお持ちの皆様から情報の提供を求めるものです。提供いただいた情報を参考に、JAXAにおける検討、CONSEOでの議論や政府の検討へのインプットを推進する予定です。

2．募集する情報の概要

本RFIは、以下の内容に係る情報提供を求めるものです。

• 「新たなレーダ観測衛星ミッション」の衛星開発利用における官民連携のコンセプト

官民連携のコンセプトを検討する上では、上述のJAXAにおける自然資本の把握とクレジット創出、海洋状況把握、インフラ管理・防災DXの各重点テーマで想定している、新たなレーダ衛星の用途、便益獲得への貢献、開発要素等を前提としてください。詳細は下記資料をご参照ください。

宇宙政策委員会 衛星小委員会 第32回会合（令和7年6月30日）JAXA第 期中長期計画における衛星地球観測の重点テーマについて

上記以外については、提案者の方で自由に前提をおいていただき、柔軟な官民連携のアイデアを提案して下さい。

なお、官民連携のコンセプト案としては、以下のような事例が考えられます。

• 衛星システム開発の一部、地上システム整備や運用費等の民間負担に対して、衛星システムの観測リソースを一部民間事業者に付与して、商業データビジネスを展開可能とする官民連携
• 衛星開発運用において、衛星バス開発、運用、打上げ等を民間からのサービス調達として実施
• 民間側で開発する小型衛星システム等と、新たなレーダ観測衛星を連携させたミッションの実施（同時打上げ、タスキング連携、データ融合の共同での利用実証の実施など）

3．受付期間

締め切りは、2025年9月30日（火）18:00 とします。

4．対象者

本RFIは、日本の法令に基づいて設立された法人を対象とします。

5．情報提供の方法

1）提出書類
別添 「情報提供書」に必要事項をご記入、PDF形式に変換の上、2）提出方法に記載の方法にてご提出ください。提案書作成の際は以下に留意してください。
①文字サイズ10ポイント以上
②補足説明資料の添付可（PDF形式。スキャナ読込にて作成されたものは不可とし、文字検索が可能な形式とする。）
③ファイルサイズは「情報提供書 」 「補足資料 」ともに 10MB を目安とする。 ④情報提供者の連絡先（担当者氏名、メールアドレス、電話番号）を記載する。

2）提出方法
以下のメールアドレス宛、件名で送付ください。
メールアドレス：info-future-SAR@jaxa.jp
件名： 新たなレーダ観測衛星の官民連携 RFI 提出

3）情報提供後の進め方
必要に応じて、情報提供者様より提供いただいた情報・意見等を理解するために情報提供期間後JAXAから質問をさせていただく場合がございます。

4）情報の取り扱いについて
①ご提出いただいた「情報提供書」は、今後、JAXAにおいて「新たなレーダ観測衛星」のミッションのオプション検討等（以下「本検討等」という。）を行うための参考情報としてのみ使用することとし、提供者の許可なくして第三者へ開示する事はありません。ただし、本検討等に関係するJAXAの役職員、監督省庁及び弁護士に対して、事前に提案者の同意なしにご提出いただいた「情報提供書」を開示することがあります。
②提供いただいた情報をもとに、JAXAにおいて新たに検討した「新たなレーダ観測衛星」の官民連携枠組みのオプション案については、CONSEOや政府における検討において、共有を想定しています。共有に際しては、枠組み検討のインプットとなった情報の提供者に対して、共有内容に問題ないか、事前にご相談させていただきます。
③「情報提供書」は秘密情報として、取扱いに留意し管理いたしますが、ご希望の場合には秘密保持契約書（NDA）を締結します。別添 「秘密保持契約書雛型」に必要情報を記載し（各条文の文言調整はできかねます事ご了承ください。）、第6項の問合せ先に記載するメールアドレス宛に word 形式でお送りください。秘密保持契約書の取交しはCloudSignで行います。電子署名ではなく、従来の紙への署名押印での取交しを希望される場合は、メールにその旨記載の上、お送りください。

6．お問合せ先 /秘密保持契約書送付先

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構
第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター 新たなレーダ観測衛星の官民連携 RFI 担当宛
メールの件名： 新たなレーダ観測衛星の官民連携 RFI 問い合わせ　または　NDA送付
メールアドレス：info-future-SAR@jaxa.jp
住所：〒305-8505 茨城県つくば市千現2-1-1
※電話でのお問合せはお受けできません JAXA 総合窓口等へのお問合せはお控えくださいますようお願いいたします。

7．説明会

本情報提供要請に関し、以下の日時で説明会を開催する予定です。説明会への参加を希望される方は、会社名を6項のお問い合わせ先メールアドレスにご連絡ください。説明会はリモート開催を予定しています。連絡いただいた方に Microsoft Teams の 接続先をご連絡いたします。質疑応答の中で共通的な事項については、JAXAサテナビのWebサイトの「お知らせ」（https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/news/news_cat/notice/index.html）に掲載する予定です。

説明会： 9月9日（火）15:00 – 16:00

8．留意事項

本 RFIに情報提供いただくにあたりましては、以下の点につきまして、ご了承 ください。

1）ご提供いただいた情報を活用し、別途JAXAにて、新たなレーダ観測衛星ミッションにおける官民連携枠組みの複数のオプションについて検討を行います。これらの複数のオプションは、CONSEOにおける将来SAR観測の検討や政府における「新たなレーダ観測衛星の開発」の検討において提示され、政府における検討で活用される想定です。
2）ご提供いただいた情報は、その後の政府関係者等との検討の結果、上記官民連携枠組みのオプションに反映されないこともございます事予めご了承ください。
3）本RFIに係る書面の作成、提出等に要する費用は、情報提供者様がご自身でご負担ください。
4）情報提供に関連して提供された個人情報については、個人情報の保護に関する法律及び関係法令を遵守し、下記項目の目的にのみ利用します。（ただし、法令等により 提供を求められた場合を除きます。）

（ア）ご提案に関連する事務連絡に利用します。
（イ）JAXAが開催する成果報告会、セミナー、シンポジウム等の案内や、諸事業の募集、事業案内等の連絡に利用させていただくことがあります。