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2025.07.01(火)

先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)が
“第36回電波功績賞 総務大臣表彰”を受賞しました。

先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)が、一般社団法人電波産業会の“第36回電波功績賞 総務大臣表彰”を受賞しました。

図1 JAXAの受賞者代表として先進レーダ衛星プロジェクトチーム プロジェクトマネージャの勘角 幸弘が受け取りました

今回の受賞は、「だいち4号」のLバンド合成開口レーダの観測幅の拡大、ならびに、衛星・地上局間の直接伝送速度3.6Gbps達成による電波の有効活用への貢献を評価されたものです。 表彰式は2025年6月26日(木)に執り行われ、JAXAは三菱電機株式会社とともに受賞しました。

「電波功績賞」とは
一般社団法人電波産業会が電波の有効利用を普及促進するために、電波の有効利用に関して特別の功績を上げた個人又は団体に授与するもの。

図2 右は三菱電機株式会社 鎌倉製作所 衛星情報システム部 Associate Expert 白坂 道明様、
左はJAXA 第一宇宙技術部門 先進レーダ衛星プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 勘角 幸弘

だいちシリーズは、災害状況をいち早く調べるために活用されています。大災害への備えや、異変のいち早い察知が必要不可欠である今、だいちシリーズには、観測幅の拡大と高い頻度の観測が求められます。
「だいち4号」はこれらのニーズに対応する機能を複数搭載しており、この機能が電波の有効利用に大きく貢献するとして受賞に至りました。

「だいち4号」は、一度に受信した電波を高速デジタル処理できるよう、衛星の進行方向に4つのビームを出しています。この最新技術はDBF-SAR(デジタルビームフォーミング:電波の処理方法)といいます。この技術を採用したセンサ「フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-3)」を搭載した「だいち4号」は、観測幅を前号機である「だいち2号」の4倍となる200km へと大幅に拡大しました。

また「だいち4号」は、地球と通信できる量が大幅に増加しました。これにより、災害時の緊急観測に即座に対応できるようになったほか、より多くのデータを地上に伝送することが可能になりました。
この背景には、Kaバンド(26GHz帯)伝送システムの開発があります。当システムの通信速度は3.6Gbpsで、「だいち2号」の4.5倍に相当します。この性能は地球観測衛星として世界最高性能を誇り、ギネス世界記録™にも登録されています。
これらにより、同一地点の観測頻度が従来の5倍となる年20回に向上し、広域災害発生時の情報収集や地殻変動監視をより迅速に行うことが可能になっています。

一般社団法人電波産業会によるお知らせは下記をご参照ください。
第36回電波功績賞表彰式を開催

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