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2026.08.27(木)

【イベントレポート】地球観測衛星素材等説明会
~教育現場で衛星データをもっと身近に~

2026年7月15日に筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッドで開催された教科書出版社向け地球観測衛星素材等の説明会の様子をご紹介いたします。現地31名、オンライン15名の計46名にご参加いただきました。

本イベントは、環境問題や災害、地球規模課題の理解を深めるため、地球観測衛星のデータを教科書で活用いただくことを目的に開催している説明会です。2023年度に引き続き、2回目の開催となります。今回は第一宇宙技術部門が扱う地球観測衛星の衛星データだけでなく、宇宙科学研究所(ISAS)の惑星探査などの宇宙科学データや宇宙教育センターの宇宙教育素材も含め、盛りだくさんの内容となりました。

説明会での講演の様子

地球と宇宙を読み解く、多彩なデータの紹介

説明会では衛星データ、宇宙科学データ、宇宙教育教材、JAXA Earth APIと様々なデータが紹介されました。ここではその一部をご紹介いたします。

図1:左から2010年8月「だいち」が観測した光学画像
2006~2011年の観測データを元に作成された震災前の土地被覆図
2014~2016年の観測データを元に作成された震災後約5年の土地被覆図
2024年の観測データを元に作成された震災後約13年の土地被覆図

図1は福島県南相馬市の松川浦周辺の光学画像と東日本大震災前、震災から5年、震災から13年経った時点の土地被覆図です。土地被覆図はどのように土地が利用されているか、その場所が何で覆われているかを分類したデータです。光学画像では一見、全体が緑に見える土地でも、水田や畑なのか、どのような種類の森林なのかを把握することができます。図1では白枠部分を見ると、震災後に一度「裸地」となった場所が、その後再び「水田」として利用されていることが分かり、震災後の復興の様子を読み取ることができます。

この土地被覆図、2026年6月よりJAXA Earth APIでも利用可能になりました。現在は、2020年、2022年、2024年のデータのみとなりますが、マップの右上の透過機能を使うと地図情報と照らし合わせて表示でき、より手軽に確認できるようになりました。住んでいる地域の様子など是非一度ご覧ください。(JAXA Earth APIで詳細を確認する場合はこちら

参考:【JAXA×三浦大知】東日本大震災から15年 被災地を見守り続ける「だいち」シリーズ
人工衛星で見る、太陽光パネル(ソーラーパネル)の広がり

図2:太陽のX線画像(2026年6月21日)

図2は太陽観測衛星「ひので」のX線望遠鏡で撮影された太陽です。太陽をX線で捉えることで、肉眼では見ることのできない超高温のガス層「コロナ」や大規模な爆発現象「太陽フレア」を捉えることができます。「太陽フレア」は強い電磁波や高エネルギー粒子を放出し、人工衛星や通信システム、電力網など私たちの生活に影響を及ぼす可能性があるため、私たちの暮らしに深く関わる現象です。「太陽カレンダー」ではこのような太陽の観測画像をカレンダー形式で誰でも見ることができます。

図3:LUNARCRAFT(ルナクラフト)

JAXAは様々な教育素材を作成しています。その一つがメタバースゲーム「Minecraft」(マインクラフト)を活用した教材「LUNARCRAFT」(ルナクラフト)です。月周回衛星「かぐや」(SELENE)が観測したデータを元に作成されており、月の重力(6分の1G)という環境で建物づくりなどの課題に挑戦しながら、参加者同士で探究活動を進めることができます。子供だけでなく大人も夢中になれる教材です。

参考:JAXA国際宇宙探査センター職員がルナクラフトで月に行ってみた!【LUNARCRAFT】

図4:海面上昇シミュレーター(海面の高さ18mに指定した関東地方)

データ閲覧サイトの紹介ではJAXA Earth APIを紹介しました。Earth APIはPython、JavaScript、生成AIから直接、JAXAの衛星地球観測データを無料で取得できるコンテンツで、毎月数万件のアクセスがあります。このEarth APIを活用することで「海面上昇シミュレーター」のようなウェブアプリを作ることができます。

図4は海面の高さを18mに指定した関東地方の図ですが、関東地方においては海面を18mほど上昇させると、現在よりも温暖であった約6000年前の縄文時代の海岸線に似た状態になり、埼玉県東部あたりまで海が広がっていたことが分かります。貝塚の場所と海面上昇シミュレーターで見る海岸線を見比べると面白いほど一致します。その他、海面上昇シミュレーターのページでは特徴的な地形に関する事柄も紹介していますので、合わせてご覧ください。

筑波宇宙センターならではの体験

スペースドームの見学の様子

途中皆様には展示館「スペースドーム」を説明員のガイド付きで見学していただきました。「スペースドーム」には温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)といった、現在も宇宙で活躍している衛星の試験機や模型などが展示されているので、参加者からは「実物大の展示物は圧巻でした。」などの感想もいただきました。

(左)「筑波宇宙センター」の食堂での様子(右)スペースカツカレー

また、お昼の休憩時間にはJAXA職員と交流も兼ねて、希望者の方々に筑波宇宙センターの食堂を使っていただきました。筑波宇宙センターの食堂は日頃からJAXA職員が利用する職員食堂ですが、実際に宇宙日本食として認証されているレトルト食品のカレーソースがベースになっているスペースカツカレーというメニューがあり、「せっかくだから」と注文された方も多かったようです。

教科書づくりを見据えたデータ活用相談会

データ閲覧サイト等の個別操作説明の様子

後半では、それまで紹介されたデータ閲覧サイトを中心に、実際に皆様にタブレット端末などを使用して衛星データに触れていただきました。各テーブルでは開発などに携わっているJAXA職員と共に、データ閲覧サイトを操作していただき、実際どのように教科書作成に利用できるかなど個別に相談を行っていただきました。

参加者の方々からは「各サイトの使い方を丁寧に説明いただき、とても分かりやすかった」「個別に質問できたことが良かった」など直接JAXA職員と話すことで、理解を深めることができたというお声を多数いただきました。また、JAXA職員にとっても、教育現場でどのようなデータが求められているかを知る貴重な機会となりました。

今回の説明会でご紹介したデータ閲覧サイトは下記ページにリンク集として公開しております。 あわせてご覧いただき、ご活用ください。

JAXAの地球観測衛星素材等の説明会データ閲覧サイトリンク集

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