お知らせ

2022.05.20(金)

地球観測データを用いたJAXA,NASA,ESA3機関共同解析Webサイト「Earth Observing Dashboard」のリニューアルについて

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、米国航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)と協力して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらす影響を宇宙から把握するため、地球観測衛星データによる地球環境や社会経済活動などの変化を解析し、共同解析結果を2020年6月より、3機関共同Webサイト「Earth Observing Dashboard」で公開してきました。

この度、地球規模かつ多様な環境の変化への理解により貢献していくため、当Webサイトの対象分野をCOVID-19から拡大し、新たに「大気」、「農業」、「バイオマス」、「水と海洋」、「雪氷」、「経済」の6分野を独立させて追加し、「Earth Observing Dashboard」をリニューアル公開いたしました。

「Earth Observing Dashboard」を通じて、地球規模の課題である環境変化や気候変動、それによって引き起こされる社会・経済への影響を広く理解するための客観的な視点や情報として地球観測データが活用されることを期待します。

地球観測データを用いた3機関共同解析Webサイト「Earth Observing Dashboard」
サイトURL  http://eodashboard.org
公開日時   2022年5月20日(日本時間)

図1:「Earth Observing Dashboard」トップ画像

本ダッシュボードの公開にあたって各機関責任者からのメッセージ

JAXA 寺田弘慈 理事/第一宇宙技術部門長
COVID-19から始まった取り組みに続き、地球環境・システムの理解や地球観測データの有用性の拡大への貢献の観点から、環境変化や気候変動などの地球規模の課題に関わる情報をストーリーとして三機関で連携して広く世界に発信していくために、このダッシュボードを拡充していきます

NASA Karen M. St. Germain地球科学局長
NASAではデータへのアクセス性を最優先事項としています。このダッシュボードは、ESA、JAXAとのパートナーシップのもと、変化する地球に関する最新情報を、アクセスしやすく便利な方法で一般の人々に提供するための新たな重要なステップであり、世界中のコミュニティーの意思決定、計画に活用することが可能です。

ESA Simonetta Cheli地球観測局長
宇宙機関同士の国際協力は重要な鍵です。ESA、NASA、JAXAが提供する高度な地球観測衛星データは、広く社会に貢献し、地球に関する知識を深めるために日々利用されています。Earth Observing Dashboardの成功によって、私たちのリソースと技術的知識が、地球環境の変化やそれに影響を与えるその他の社会的課題の理解を深めるために、拡大し、利用されることを嬉しく思います。

「Earth Observing Dashboard」概要

本サイトでは、地球環境の変化や、環境変化の社会活動への影響についてストーリー形式で解説しており、科学者、政策決定者に加え、衛星や地球観測データに馴染みのない人々にも活用いただけることを期待しています。また、地球観測データのインタラクティブな表示機能を通じて、関心のある国や地域など特定の場所の環境が時間とともにどのように変化していくかを確認することができます。

再編追加された6分野のコンテンツ

「大気」・・・大気汚染や温室効果ガス排出・気候変動が現代の大きな環境変化にどのように関わっているかを示してい ます。JAXAからはGOSAT二酸化炭素二層プロダクトのデータを提供しています。

「農業」・・・農業生産、作物の生育状況・農業気象状況など、食料食糧供給に関する情報を提供する衛星データを調べることができます。JAXAからはGCOM-C植生指標、GSMaP(降水量)、AMSR2土壌水分量データを提供しています。

「バイオマス」・・・陸上の樹木や森林の量を示すバイオマスは、大気中の二酸化炭素をどの程度吸収するかを理解する上で重要な役割を持ちます。JAXAのALOS-2データを活用したバイオマスマップなどが掲載されています。

「水と海洋」・・・地球最大の天然資源である海洋に焦点を当て、陸上と同様に豊かで複雑な海洋の見方を紹介しています。JAXAからはGCOM-C 海洋純基礎生産力(NPP)データを提供しています。

「雪氷」・・・地球温暖化が海氷の面積に与える影響を地理的に可視化しています。JAXAからはAMSR、AMSR2 等の北極海氷密接度、海氷面積長期トレンドのデータを提供しています。

「社会経済」・・・地球の社会・経済システムが環境とどのように結びついているかを示すデータセットにアクセスすること ができます。

図2:「Earth Observing Dashboard」データセット検索画面

「Earth Observing Dashboard」では、各分野で提供されているストーリーに加え、データセットにも直接アクセスできるようになっています。このツールを使用すれば、72の経済指標、35の農業指標、29の大気質指標、37の水資源指標、2つの健康指標の全てを詳細に調べることが可能となります。また、データセット検索画面の使い方を実例で紹介するチュートリアルリンクも用意されています。

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