「宇宙から見る地球」 教育パッケージとは?
My Earthミッションで実施した「宇宙から見る地球」に関する特別授業を、ご関心のある教育機関や科学館等で実施いただけるよう、
「「宇宙から見る地球」教育パッケージ」をご用意しました。
本パッケージは、「宇宙から見る地球」をテーマに、宇宙好きではない生徒でも楽しめるように、敷居の低いわかりやすい講義に加え、宇宙飛行士が撮影した美しい写真を味わう体験(「Earth Diary」を活用)や、
将来自分も宇宙や衛星地球観測に関わる可能性を感じられるタッチポイントの紹介などを組み合わせた教育プログラムです。
ワクワクする体験を通して、宇宙や地球への興味・関心を育み、多様な学びを提供します。
本サイトでは、特別授業を実施するために必要なプレゼンテーション資料、授業台本、実施ガイド(動画)、実施例動画を提供するとともに、
My Earthミッションで実際に特別授業を実施した先生方の声などをご紹介しています。
狙いと学びの効果
本教育パッケージは、以下に示す構成要素を組み合わせ、衛星地球観測を含む、宇宙や地球に関する知識や興味関心を喚起するだけでなく、宇宙や地球を「自分ゴト」として捉える視点を育み、感性教育やポストグローバル時代に求められる視点の獲得など、多様な学びの提供を目指しています。
特別授業で用いるツール「Earth Diary」
油井亀美也宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)から撮影した地球の写真やメッセージを、3Dの地球に重ねて閲覧することができるWebアプリです。撮影写真をダウンロードして、授業で活用することができます。
注:Earth Diaryに掲載のコンテンツの利用については、JAXAデジタルアーカイブスの利用条件に沿ってご利用ください。(掲載写真は教育使用可能です。)
Earth Diaryはこちら
特別授業の実施プランと教材
本教育パッケージは、学校(小学校・中学校・高校など)の授業や、科学館などの特別イベント・講座等での活用を想定しており、目的や時間に応じて柔軟な構成で実施いただけます。
皆さんの学校や科学館などで円滑にご活用いただけるよう、事業で使用するマテリアル(投影用のプレゼンテーション資料・先生用の台本)と実施ガイド(動画)をご用意しました。ぜひご活用いただき、事業やイベントにお役立てください。
本サイトでは、授業時間や事前課題・事前授業の有無に応じた、以下の3つの特別事業の実施プランをご紹介しています。
- 1コマ版
- 2コマ(事前課題あり)版
- 2コマ(事前授業あり)版
いずれのプランも、進め方は異なりますが、「宇宙から見る地球」に関する入門知識、宇宙ビジネスが自分ゴトになる可能性の紹介、「宇宙から見る地球」の宇宙飛行士撮影写真を直感的に味わう体験、宇宙飛行士写真と衛星データを組み合わせた味わい方の紹介、といった共通の要素で構成されています。
基本となるのは、先生・講師による解説を中心に進める「1コマ版」です。さらに、事前課題やグループワークを含む事前授業を組み合わせることで、生徒が主体的に考え、より深い学びを得ることができる構成としています。
(1)1コマ版
授業1コマ(45分~50分)で実施する基本となる特別授業です。最もシンプルな構成で導入しやすく、プレゼンテーション資料のスライドを活用した先生・講師による解説を中心に進める授業・講座です。
特別授業の実施例動画
(2)2コマ(事前課題あり)
事前課題を出したうえで、2コマ(45~50分 x 2)を使って、特別授業を行うプランです。
Earth Diaryで事前に好きな写真と理由を考えてくるという事前課題とその発表を含め、よりインタラクティブに生徒の学びを促すスタイルの授業です。事前に課題で写真の味わい方を考えたうえで、衛星データを組み合わせることでより深い写真の味わい方に気づくなど、より深い学びにつなげることが可能です。以下の例は、宇宙旅行関連ビジネスや、衛星データ利用関連ビジネスなど、宇宙が様々な産業と組み合わさって、将来自分ゴトになることについても強調して学ぶコンテンツとなっています。
- 投影用のプレゼンテーション資料:PDF(24.0MB) pptx(209MB)
- 先生用の台本:PDF(3.14MB) pptx(182MB)
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実施ガイド(動画):準備中
※実際の授業実施例は1コマ版のものをご参照ください。
(3)2コマ(事前授業あり)版
別日に事前授業(1コマ)を実施したうえで、2コマ(45~50分 x 2)を使って特別授業を行う最も充実したオプションです。
Youtube動画で基礎知識を得たうえで、Earth Diaryの写真を味わうグループワークを行う「事前授業」を実施したうえで、よりインタラクティブに生徒の学びを促すスタイルの授業です。事前にグループワークで時間をかけて写真の味わい方を考えたうえで、他者の味わい方を共有するとともに、そのうえで衛星データビジネスについて知り、衛星データを組み合わせることでより深い写真(地球)の味わい方に気づくなど、最も深い学びにつなげることが可能です。
教育パッケージの利用規約
本教育パッケージのご利用について
本教育パッケージは、個人での利用、学校での授業等非営利目的の教育活動での利用についてのみ、無償でご利用いただけます。ダウンロードしてお使いください。
著作権について
本教材に含まれるテキスト、図版、画像、音声、映像などのコンテンツの著作権(もしくは知的財産権)は、特に記載されているもの以外は、すべてJAXAに帰属しています。JAXA以外の出典元が明記されているテキスト、図版、画像、音声、映像等の著作権は出典元に帰属します。
著作権法上、学術研究・教育活動等の目的や、私的使用を目的とした利用の範囲(例えば、学校その他の非営利の教育活動における使用、個人や家庭内での使用を目的として、プリントアウトする行為またはハードディスク等に保存する行為等)は、著作権者(JAXA)の使用許諾を得ずに利用できますが、次の利用条件をお守りください。
利用条件
図版、画像を改変してのご利用は、基本的にはご遠慮ください。宇宙飛行士など特定の人物に関するものの場合には、改変してのご利用は、その個人の権利を保護するため、一切を禁止いたします。投影資料や台本のテキストについては、教育活動での使用のための一部改変を許諾します。 投影資料や台本のテキストについては、教育活動に必要な範囲で、図版、画像、音声、映像等のトリミング(縦横の比率を変更することや画像の一部を切り取ることを含む。)色の変更及びテキストの追加等の行為に限り、改変を許諾します。
その他
コンテンツの内容は特定の個人や団体・組織の活動を推奨するものではありません。
パイロット授業:「My Earthミッション出前授業」の実施概要
CONSEO(衛星地球観測コンソーシアム)及びJAXA第一宇宙技術部門では、 2025年8月から2026年1月まで国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した油井亀美也宇宙飛行士(CONSEO広報アンバサダー)が撮影した地球の写真を衛星観測データと組み合わせ、 専門家が解説・深掘りする企画「地球を共に感じよう~宇宙から見るわたしたちの未来〜」を進めてきました。
この企画の一環として、高校生と共に「宇宙から見る地球」を通して学び、それを皆さんと共有する取り組み「My Earthミッション」を実施し、 公募選定された3つの高校にJAXA職員が講師として訪問し、出前授業を行いました。
「宇宙から見る地球」教育パッケージのパイロット授業としても位置付けられる、「My Earthミッション出前授業」の概要や、 参加した高校生の声(高校生特派員レポート)などについては、以下をご覧ください。
また、本出前授業の教育効果等の感想について、実施校の担当教諭の皆さんにインタビューした概要をご紹介します。
皆さんの学校や科学館等での実施に向けて、ぜひご参考ください。
【学校法人柳商学園 柳川高等学校 宇宙教育推進部 主幹 浦本 拓郎 様】
My Earthミッション出前授業の教育効果
今回出前授業では、「宇宙から地球を見る」という、普段の高校生活ではなかなか触れることのできない視点を生徒たちに提供していただき、大変貴重な学びの機会となりました。
宇宙や人工衛星を学ぶだけでなく、衛星データを通して地球環境や私たちの暮らしとのつながりを考える内容は、生徒たちにとって新鮮で、「宇宙」をより身近に感じるきっかけになったと感じています。
また、授業を受けて終わりではなく、自分たちが学んだことや感じたことをプレゼンテーションや情報発信という形でアウトプットする機会を設けていただいている点は、大変意義深い取り組みだと思います。知識を身に付けるだけでなく、自分の言葉で伝える経験を積むことで、生徒たちの主体的な学びや表現力の向上にもつながると感じています。
このような貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。今後の活動を通して、これからの柳川高校に通ってくれる生徒が宇宙教育により一層、力を入れて2030年宇宙修学旅行計画に少しでも近づいていくことを楽しみにしています。
【学校法人八洲学園 福岡女子商業高等学校 地歴科 キャリア支援部 長友 世渚様】
宇宙と「アート思考」の融合が生み出す教育の可能性
アニメ『宇宙兄弟』の壮大なBGMが流れ、スクリーンに油井宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)から撮影した地球の写真「Earth Diary」が投影されて始まった授業。 その瞬間、教室はまるで生徒自身もISSに滞在しているかのような、幻想的な空間へと変わりました。 本校で実施した特別授業「My Earth ミッション」は、単なる宇宙の知識獲得の場にとどまらず、教科書の枠を超えた学びにより、 生徒の好奇心と探究心に火をつける機会となりました。
今回、授業を設計するにあたり私が最も重視したことは、「アート思考により、宇宙から見た地球を自分なりの価値観で捉え直すこと」です。 高校生にとって宇宙は、壮大さゆえに難しく、日常から遠い世界のものと感じられがちです。 しかし、気難しい専門知識やデータだけでは距離を感じてしまう領域だからこそ、視点を変えてアート的観点からアプローチすることにより、 芸術家が自らの内なる衝動を表現するように、高校生ならではの斬新な感性を起点とした、新しい問いや価値観を創造できるのではないかと考えたのです。
この新たな視点の創造を形にするため、授業では「Earth Diary」から心に響いた1枚を選び、独自のタイトルを付けるワークショップを行いました。 ここで重要視したことは、正解を導き出すことではなく、写真に対して自分がどう感じ、どこに惹かれたのかを言語化するプロセスです。 実際の授業では、宇宙から見た地球の夜景を「宇宙から見た花火」に見立てるなど、先入観にとらわれない個性の光るタイトルが次々と生まれました。
さらに今回の授業で大きなポイントとなったことは、宇宙ナビゲーターの村木氏による解説との連動です。 生徒が感覚的に付けたタイトルの写真の背景にある出来事について、専門的な観点からフィードバックをいただきました。 例えば、「花火に見える地球の夜景は街明かりや人工光であり、花火の模様の部分は過疎化の地域である」といた解説です。 こうしたフィードバックにより、生徒たちが心で感じた直感的なものが村木氏の科学的な解説と結びつき、実社会の生きた学びへと深まったと実感しました。
また、参加した生徒からは、「目で見て、感性で捉えた写真を衛生データと組み合わせることで、より深い理解ができることがわかって新鮮でした。」
「衛生データが様々な生活で不可欠になっているものだとわかり、びっくりしました。もしかしたら、今後将来の仕事や生活で関わりそうです。」といった声が寄せられました。
これらの言葉からも、生徒自身の中で多様な学びや、「自分ごと」としての学びへと繋がっている様子が窺えました。
私自身、アートに間違いはないと考えます。個人の捉え方により、様々な見方や考え方ができることでしょう。
今回の授業のように率直な感性から捉え、また、対話を通して自身の価値観を共有することで、「宇宙から見た地球」という一つの対象を多角的に考察できる力と、
多様な見方・考え方を持つ力が育まれたように感じました。
今回、教育現場がJAXAのような外部機関と手を取り合うことで、教室の垣根を越え、生徒の無限の好奇心を刺激し、社会に対するアンテナを育むことができたと実感しております。 これからも学校という既存の枠にとらわれず、生徒自らが探究し、未知なるものに挑戦できる環境を共に提供する。そのような新たな学びの伴走者であり続けたいと考えています。
【学校法人芝学園 芝高等学校 司書教諭 渡辺 果奈子 様】
【My Earthミッション出前授業の学びの成果】
他の2校と異なり、本校では今回の出前授業を学校図書館発の特別講座の一環として実施いたしました。所属団体のDMで募集を知り、期日まで10日もない中で応募書類を書き、学内での稟議を通し、関係する部署と調整を行い……我ながらよく間に合わせたと思っております。偏に、企画を拝見した時から、生徒たちが眼前の大学受験にとらわれず、より広い世界への関心を喚起するよい契機になるだろうと確信があったためでした。あらためて学校の柔軟な対応にも感謝しております。
授業では、宇宙ナビゲーターのコスモさんが美しい衛星画像を用いながら、様々な角度から地球を見る方法を伝えてくださりました。授業中、生徒たちの目が輝き、時に歓声があがっていたのが非常に印象的でした。結果、生徒たちは宇宙開発の最前線に触れながら、自分たちの日常の学びと結びつけて理解を深めることができたように思います。授業後も質問が絶えず、急遽、延長戦を実施するほどの盛り上がりとなりました。
また、本授業は単なる知識の獲得にとどまらず、将来の進路選択や社会との関わりを考える契機にもなったと感じております。「宇宙」というテーマは一見遠い存在のように思われがちですが、今回の授業を通じて、理系のみならず幅広い分野とつながりがあることを実感できたことは、生徒たちはもとより私たち教員にとっても大きな収穫であったと考えます。
今後も、このような外部機関と連携した探究的な学びをさらに充実させ、生徒が主体的に課題を発見し、多角的に考察する力を育んでいきたいと考えております。今回参加できなかった生徒たちからも続編を望まれており、継続的に導入していきたいと強く感じております。