JAXA(宇宙航空研究開発機構)第一衛星利用ミッション本部では、地球観測衛星、通信・測位衛星を中心とした安全、安心で豊かな暮らしを実現する人工衛星を開発しています。
人工衛星プロジェクトを支えている人たちにインタビューしました。
Q.平田さんのお仕事について教えて下さい。
A.平成17年4月からここ埼玉県の地球観測センターに設置している「だいち」からのデータを記録、処理する設備のシステム開発担当をしています。といっても私が担当になったときには、基本的な設備開発や試験自体はほぼ完了していたので、「だいち」打上げ前までは、製造メーカの保守期限切れとなる計算機の交換、担当設備における初期チェックアウト作業の訓練・リハーサルへの参加や「だいち」の運用作業に関する調整などを行ってきました。
「だいち」打上げ後は、追跡管制隊の地球観測班 データ記録・処理係員として記録・処理設備の運用を担当しています。簡単に説明すると、パラボラアンテナで受信した「だいち」からのデータをコンピュータで加工して目に見える状態にしたり、他の部署からのデータ提供依頼の対応や作業調整をするのが仕事です。
Q.打上げのときの状況を教えて下さい。
私が所属している追跡管制隊の地球観測班は、種子島宇宙センターのように直接的に打上げには関係していないのですが、打上げの約10時間後に控えている地球観測センターでの初めてのデータ受信に向けて、かなり緊張していましたね。というのも、打上げたその日のうちにミッションデータ伝送用の電波を受信するのは地球観測センターでは過去に例がないことだったものですから、担当設備の状態は良好かどうかの確認や、自分が担当する運用手順の確認を何回も繰り返し行いながら、その時を待っていました。
Q.「だいち」からのデータを受信する設備に関わるお仕事ですと、打上がってもお忙しいですよね。
去年の4月まで「だいち」のプロジェクトには、関わっていませんでしたので、覚えることがたくさんあって苦労しました。その頃からかなり忙しくなってしまい、3歳になる双子の娘たちと接する時間が激減してしまいました。朝、出勤する時に「今日も遅くなるよ」と言って、泣かれた時は、かなりつらかったですね。 打上げ後も、ただでさえ忙しい「だいち」の初期チェックアウト作業に加え、一部報道にもありましたデータの一部欠損があり、その対応でほとんど休みが取れない日が続き、大変でした。
Q.ご苦労が多い中でも、やっていてよかったな思うときはどんなときですか?
そうですね。ロケットの打上げ成功はもとより、「だいち」からの観測画像を初めてモニター上で見たときには、かなり興奮しましたし、感動もしました。画像が見えたときには、運用室内に拍手が起きてましたね。関係者一同おなじ気持ちだったと思います。 その後も、それぞれのセンサの性能確認のために別の観測画像も見ていますが、そのたびに何ともいえない満足感を感じます。自分の行ったことのない海外の画像などを見ることができると楽しいですしね。
「だいち」に一言お願いします。
無事に打上げが成功してよかったね。あとは設計寿命をまっとうするよう頑張ってください。応援してます! 最近、車を買い換えたんですが、初めて「カーナビ」なるものを取り付けました。今更ながら、「人工衛星ってすごい!」って実感しました。それで、川崎の実家から埼玉の自宅まで帰る途中、道はすいていたのですがちょっとした出来心で「抜け道」ボタンを押してカーナビの言うとおりに進んでいたら、物凄い路地裏を走らされましまい、かえって時間がかかることになってしまったという事件もありましたけどね。 私がこれまでJAXAで担当してきた仕事は、人工衛星からのデータを受信してから、そのデータを利用しやすい形式に加工するまでの、いわゆる「人工衛星に近い」部分だったのですが、「だいち」のような地球観測衛星の場合はそのデータをいかに利用するか、いわゆる「人や環境に近い」部分でどのように役立たせるかがとても大事だと思います。これからも「人や環境に近い」部分に少しでも貢献できるよう、頑張っていきたいと思っています。
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