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160本ものケーブルを設計書どおりに取り付けたときは
「やった!」と思いました

NEC東芝スペースシステム柴崎 智幸

Q.柴崎さんが現在担当されているお仕事を教えてください。

A.陸域観測技術衛星(ALOS)のインテグレーション(製作や組立て)や試験を行っています。ALOSは今年の夏期打ち上げ予定の大型衛星で、私はその衛星の組み立て屋・・・といったところです。

Q.ALOSはどこで作られたのですか?

ALOSはNEC東芝スペースシステム株式会社の京浜事業所で初期の製作を行い、2002年の7月頃に筑波宇宙センターへ運ばれ、製作、組立てを行いました。 その後、人工衛星の電気 (信号) が正常に流れるか(電気性能試験)、ロケットの打上げ時の振動や爆音に耐えられるか(振動試験や音響試験)、衛星の重さや取り付けのバランスが設計どおりになっているか(質量特性試験)、 宇宙の過酷な環境に耐えられるか※1 (熱真空試験) など、さまざまな試験を行っています。
※1 真空で昼夜の温度差200度という環境

Q.試験にも関わるのですか?

全ての試験の衛星コンフィギュレーション作りを行っています。また、試験中や試験準備中は、衛星からの異常音がないか、外観に異変がないか等を監視したりしています。

Q.衛星コンフィギュレーション作りとは何ですか?

一言で言えば、衛星を試験できる状態に準備することです。各試験に必要な条件の環境作りをします。例えば、電気試験の時は人工衛星にたくさんの試験ケーブルを接続したり、熱真空試験の時は人工衛星にたくさんの温度センサを取り付けたり、といったことです。

Q.ALOSはもう出来上がっているのですか?

画像:NEC東芝スペースシステム 柴崎 智幸

2003年12月に一度完成していましたが、ADEOS-IIという人工衛星の事故を受け、そのような事故の再発を防ぐため、心配なところはすべて点検し、大規模な改修を行いました。2004年12月にその改修も終了し、現在完成した状態にあります。

Q.柴崎さんが改修したところはどこですか?

衛星には断熱材が貼られているところ(主に金色などをしている部分)と放熱のための銀色のテープ(熱制御テープ)が貼られているところがありますが、私は主に帯電防止対策として、その銀色のテープの貼り替えを行いました。

Q.現在担当されているお仕事でどんなときにやりがいを感じますか?

自分がインテグレーションした機器が、試験で問題がないことが実証され、衛星の形になった時です。 特にALOSという人工衛星は非常に大きく、複雑な構造であるため特殊な作業が多く大変でした。無理な姿勢で作業したり、高いところでの作業があったり。
でも、それを無事にやりおえた時などにとてもやりがいを感じます。設計どおりに組み立てられたときは安堵感もありますね。例えば160本ものケーブルを設計書どおりに取り付けたときは「やった!」と思いましたよ。本物を触れるゆえの感覚だと思います。

Q.ALOSは何人くらいで組み立てたのですか?

設計や開発には当然多くの人が関わっていますが、実際に組立てを行ったのは8人くらいです。

Q.現在担当されているお仕事で苦労した話を聞かせてください。

画像:NEC東芝スペースシステム 柴崎 智幸

ミッション機器の取り付けのほとんどが、まるで鳶職人のような高所作業が多いことです。 スケジュールがおしてくると、安全に気を配る余裕が無くなってしまいそうになりますが、第一に人の安全、第二に衛星の安全と心に言い聞かせ、余裕を持って作業に当たるように心掛けています。

Q.実際に宇宙へ行く人工衛星を扱うがゆえの苦労はありますか?

人工衛星はとても高価な物なので事故のないように気を使います。事故を起こすと開発スケジュールが狂ってしまい、打上げにも影響してしまうことになるからです。

Q.実際にALOSを組み立てたときに苦労したことはありますか?

夜間作業の時、睡魔におそわれたり、体が動かなかったりして大変でした。また、人工衛星を移動させるときはクレーンで吊り下げるのですが、その時は常に不安感があります。絶対失敗できない重圧感を感じます。

Q.柴崎さんが宇宙開発を志したきっかけはなんだったんですか?

実は、特に宇宙関係の仕事をやりたかった訳ではなかったのですが、専門学校の経験を生かせる何か「物作り」に関係する会社はないかなと探していて今の会社に入りました。 そこで宇宙という夢のある仕事に出会いました。今はこの仕事を続けたいと思っています。

Q.今後会社でどんなことをやりたいですか?

画像:NEC東芝スペースシステム 柴崎 智幸

今はとにかくALOSの打上げに全力を向けているため、今後の事まで考えていませんが、ALOSの経験を生かし、自分がインテグレーションのリーダーとなって、人工衛星1機分を初めから打上げまで任せて貰えるようになりたいです。 また、今後は自分が作っている人工衛星がどんなことに使われるのか、そのミッションや利用方法についても勉強していきたいですね。

Q.宇宙開発をしていなかったら、今何をしていると思いますか?

物作りが好きなので、やっぱりなにか作る仕事についていたと思います。ログハウスとか建ててみたいですね。

Q.マイブームを教えてください!

マイブームはこの時期スノボです。滑った後は温泉に入って、その後は睡魔と闘いながら帰宅します。なかなか休みも取れない状況ですが、その合間を使いテニスと草野球をしています。マイブームと言うより常に運動する事が好きです。

最後に読者へ一言お願いします!

ALOSは筑波宇宙センターでの作業を5月の連休明け(暫定ですが)に完了し、その後、種子島宇宙センターへ運ばれ、打ち上げ準備に入ります。みなさんALOSを暖かく見守ってください。必ず成功するように頑張ってきます。

プロフィール

画像:NEC東芝スペースシステム 柴崎 智幸

柴崎 智幸(しばさき・ともゆき)

長野県上田市生まれ。日本電子専門学校を卒業。
平成10年4月にNECに入社され、平成14年から現在の職場で働いていらっしゃいます。
小学生の頃はプラモデル作りが大好きだったという「もの作りのプロ」です。打上げを今年の夏期に控えた陸域観測技術衛星 (ALOS) のインテグレーション(製作)を手がけたそうです。

過去のインタビュー一覧

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