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衛星の誕生

ロケットは衛星を宇宙へ運ぶために打ち上げられます。衛星が無事に軌道に投入され、誕生する瞬間を見守る人たちがいます。

衛星の誕生

ロケット打ち上げと衛星分離

ロケットが打ちあがる場面はテレビのニュースなどでもよく放送されていますが、ロケットを打ち上げるだけが私たちの目標ではありません。ロケットの先端に積まれた衛星が、きちんと目的を果たすようになるまで、私たちの仕事は続きます。

第2段ロケットが燃焼を終了すると、衛星が地球に落ちないで周りを回っていることのできる速度になります。 これを第一宇宙速度と呼んでいます。この速度はおよそ秒速7.9kmであり、時速にすると28000kmにもなります。これはピストルから発射される弾丸よりも速いスピードです。

画像:中央管制室

衛星が燃焼を終えた第2段ロケットから切り離されると (衛星分離)、クリティカルフェーズが始まり、追跡管制隊と呼ばれる衛星のエキスパートたちの出番になります。

中央管制室の様子: 追跡管制棟内の中心設備です。特にクリティカルフェーズには、ここに集まる多くの関係者にタイムリーな情報を提供します。

衛星はロケットの中に入っているうちも、搭載されたバッテリによって電源が入った状態になっています。したがって、ロケットの中に入って飛んでいる最中でも射場に近い増田通信局に衛星の状態を電波で知らせ続けることができます。ただし、数分で地上アンテナから届かないところまで飛んでいってしまいます。

バッテリは充電しないとなくなってしまいますので、充電する必要があります。人工衛星はたくさんの電力を必要としますので、太陽電池を使って発電します。太陽光が当たるだけで電気が起こる太陽電池は、宇宙空間を飛ぶ人工衛星にたいへん適しています。

衛星はロケットの先端についている衛星を保護する入れ物 (フェアリング) に収めるため、大きさに制限がありますので、いろんな部品が小さくたためるようになっています。そのため、衛星分離後、まずは電力を確保するために太陽電池がいっぱいに貼られたパドルを広げる運用をします。

太陽電池を使って、衛星自身で発電ができるようになると、ひとまず一安心というところです。人間で言えば、赤ちゃんが産声を上げたようなものです。新しい衛星の誕生の瞬間です。

JAXAでは慣習として、自己発電ができるようになった衛星に愛称をつけることになっています。たとえばデータ中継技術衛星 (DRTS) には「こだま」、環境観測技術衛星 (ADEOS-II) には「みどりII」などが挙げられます。

衛星が自立するまで

しかし、まだまだ気は抜けません。まだクリティカルフェーズは始まったばかりなのです。そのあと、衛星がふらふらしないように、3軸姿勢確立といって、衛星が自分の力で姿勢を一定のまま保てるようにします。姿勢が安定するようになると、衛星のミッションに必要な装置を太陽電池パドルと同様に広げていく運用を行っていきます。 基本的にこうした展開の仕組みは、ばねによる復元力を利用しており、広がらないように止めているねじや丈夫な紐 (爆管とか火工品と呼んでいます) を焼き切ることで、元の形に戻します。 こうして、収納用にコンパクトになっていた衛星が本来の形になると、クリティカルフェーズの最後として、ノーマルモードといってこれから先ずっと使用される一番安定した姿勢保持の仕方に変えます。3軸確立ではスラスタといって、いろんな方向を向いた小さなロケットエンジンを吹かすことで姿勢を保ちますが、ノーマルモードでは回転しているホイールの回転数を変えることで姿勢を保ちます。

こうして緊張感を強いるクリティカルフェーズがようやく終わります。衛星によって異なりますが、2, 3日から1週間までとさまざまです。

ミッション開始に向けて

クリティカルフェーズが終わると、初期運用 (チェックアウト) フェーズと呼ばれる次の段階に進みます。初期運用フェーズでは、まず、衛星を予定通りの軌道を飛ぶように少しずつ修正していく初期軌道制御が行われます。 地球観測衛星であれば、観測に向いた所定の軌道に行くように、静止衛星ならきちっと局の上空に静止するように衛星をスラスタを使って動かしていくわけです。その後、衛星に搭載されたすべての機器が宇宙空間でも正常に動作するのか、ひとつひとつ性能をチェックしていきます。

衛星にはミッションを達成するための観測機器が、たいていの場合、ひとつではなく複数載っています。さらに、ミッションデータの記録機器や通信機器、それに衛星の姿勢を保つための制御機器などたくさん載っています。そのため、通常ですと3ヶ月もの時間をかけて、衛星が宇宙でも大丈夫なのか検査していくのです。

チェックアウトフェーズの最後にはシステム総合試験といって、衛星の観測が予定通り行われるのか、観測に関わる組織とシステムをすべて通して動作させて性能を確認します。これが成功すれば定常フェーズに行っても良いと判断がされ、例えて言えば衛星が一人前になったと認められたことを意味しています。

“衛星の誕生”に関わる人々

画像:システム技術開発部の様子

追跡管制隊が活躍するのは、初期運用フェーズまでです。その後、隊は解散し、追跡管制については、宇宙利用ミッション本部の「システム技術開発部」が担当するなど定常的な組織に移行します。

システム技術開発部: ここが、JAXA内でも最も「衛星の一生」に長くかかわる部署です。地上システムの開発から衛星の運用まで担当します。

関連情報

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画像:ロケットの情報を掲載 ロケットナビゲーター
画像:宇宙から見た地球を紹介 地球観測研究センター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
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