海面水温の上昇

近年、世界中の海で海面水温の上昇が観測されています。衛星画像を見ながら考えてみましょう。

(左)2014年8月1日の海面水温、(右)2026年8月1日の海面水温

上の画像は、JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)が観測した日本周辺の海面水温を示したものです。青いところは海の水が冷たく、オレンジや赤になるほど温かいことを表しています。2014年8月1日の海面水温と2026年8月1日の海面水温を比較すると、2026年の画像はオレンジの色が濃く、全体的に海面水温が高くなっており、四国沖では28.7℃だった地点が32.4℃と3.7℃上昇していることが分かります。

衛星データによると、日本近海だけでなく世界各地の海洋でも海面水温が上昇する傾向がみられます。特に近年は過去の平均と比べて高温となる海域が広範囲に現れており、人工衛星による継続的な観測から、地球規模で海洋環境が変化していることが分かります。 下のグラフを見ると、特に2023年以降は過去の年より高い値で推移しており、海面水温が長期的に上昇していることが分かります。

全球(南緯60 – 北緯60度)の月平均海面水温の季節変動
観測衛星:「しずく」GCOM-W/AMSR2

より詳細なグラフ、最新のデータは「AMSRシリーズが捉えた全球海面水温の変動」で閲覧することができます。あわせてご覧ください。

■海面水温の上昇から学べること

海面水温の変化は、私たちの暮らしにも大きな影響を及ぼします。

海面水温が上昇すると、海から供給される水蒸気や熱エネルギーが増加し、豪雨や台風などの気象現象に影響を与える可能性があります。
また、海面水温の上昇は魚の分布や回遊ルートにも影響を与えます。これまで日本近海で多く獲れていた魚が減少したり、暖かい海を好む魚が新たにみられるようになったりすることがあります。その結果、漁業や私たちの食卓にも影響が及ぶ可能性があります。さらに、サンゴの白化現象など海の生態系への影響も懸念されています。 このように、海面水温の変化は、地球環境や私たちの暮らしと深く関わっています。

■発問例

1. 2014年と2026年の海面水温を比較して、どのようなことに気付きましたか。
2. 海面水温が上昇すると、具体的にどのような問題が生じるでしょうか。
3. 地球温暖化の原因とその対策を考えてみましょう。

■活用場面例(教科書 単元)

<中学>
理科 気象の観測 / 天気の変化
理科 自然と人間 / 地球の環境
社会 日本の様々な地域(環境問題や防災)

<高校>
地学基礎 / 地学 大気と海洋 / 地球の環境
地理総合 / 地理探究 国際社会の課題 / 地球規模の環境問題

■海面水温の衛星画像のダウンロード

・海面水温と気候変動
2つの時期の海面水温を比較して表示することができます
・AMSR Viewer(操作ガイド)
観測センサや観測データ、偏差などを選択して最大3層まで重ねて表示することができます
・JAXA Earth Dashboard
海面水温だけでなく、クロロフィルa濃度など他の観測データとの比較しながら、多角的に表示することができます

■海面水温上昇の衛星画像を見た感想の紹介

  • 地球が温かくなってきていることを改めて実感した。
  • 海面水温が上昇していることで、生き物たちにも影響を及ぼしているのだろうと思った。

<観測を行っている衛星>
しずく(GCOM-W/AMSR2)
打上げ年月日   2012年5月18日
宇宙から地球の環境変動を長期間にわたってグローバルに観測することを目的としています。水循環に関わる観測を行っています。

いぶきGW(GOSAT-GW/AMSR3)
打上げ年月日 2025年6月29日
「しずく」と「いぶき2号」の後継機として高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)と温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)を同時搭載したハイブリッド衛星です。

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