ほら!ここにも宇宙

jaxa第一宇宙技術部門

人工衛星をもっと身近に感じてほしい! JAXA×女子大生 座談会

天気予報には衛星画像が欠かせなかったり、GPS衛星からの測位情報が携帯電話やカーナビなどに使われるなど、今や人工衛星は、私たちの生活に欠かせないものになりました。でも多くの人は、暮らしに宇宙が関わっていることを意識したことはないでしょう。もっと人工衛星のことを皆さんに知っていただきたい! そのためにはどうしたらよいのか。そのヒントを得るため、女子大学生の方にお話をうかがいました。

参加者 女子大生 JAXA第一宇宙技術部門

明治学院大学社会学部3年生 野崎有紗
明治学院大学国際学部3年生 大沢明希穂

JAXA第一宇宙技術部門
陸域観測技術衛星2号「だいち2号」
プロジェクトマネージャ 大澤右二
事業推進部 計画マネージャ 岩本裕之

この座談会からFacebookページ「だいち」今日の一枚ができました!

JAXAという名前を聞いたことがありましたか?
宇宙についてどのようなイメージを持っていますか?

野崎有紗さん

野崎:はい。最近、ニュースや映画、テレビの影響でJAXAのことを知って、JAXAという名前が出ただけで「すごいなぁ」と思うようになりました。JAXAの人たちは、宇宙のエキスパートという感じがします。
大沢:かっこいい!というイメージがありますね。
野崎:宇宙についてのイメージは・・・宇宙っていわれると別世界のような気がして、あまり身近に感じません。でも、星を見たりするのは好きです。流星群がくる時はイベント感覚で、今日来るんだ!と思って、夜になると空を見て流星を探します。
JAXA:人工衛星やロケットのことを意識したことはありますか?
大沢:ニュースで見る程度であまり意識したことはありません。ロケットの打ち上げがあるとニュースで紹介されるので、それで知るくらいです。
野崎:流星群とか天文のことより、人工衛星やロケットの方がもっと遠くに感じちゃいます。

大沢明希穂さん

JAXA:難しいことを、難しい人たちがやっているというイメージですか?
野崎:そうです(笑)。専門的で、限られた人のものという感じがします。でも大学に宇宙好きな子はいます。サークルの後輩の女の子が、筑波宇宙センターの見学に行くと話しているのを聞いたことがあります。彼女はJAXAのツイッターもフォローしているそうです。

携帯電話のGPS機能に人工衛星が使われていますが、これまで宇宙を意識して使ったことがありますか?

野崎:携帯のGPSはよく使っていますが、それに宇宙が関わっているというイメージはあまりなくて(笑)
JAXA:今は携帯電話で自分の位置が分かったり、海外の友達とも話せたりしますが、私たちの生活にも宇宙が関係していることを知ってもらえたら嬉しいですね。GPS衛星だけでなく、現在さまざまな人工衛星が活躍しています。例えば地球観測衛星の「いぶき」は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の濃度を調べています。人工衛星は、日本だけでなく、全世界を観測ができるので、衛星の観測データを見れば海外の状況も分かります。ので、そのデータをもとに国際的に議論するのも良いと思います。このように人工衛星からの情報はいろいろな分野で活用される可能性があるんです。

「いぶき」の観測データから算出した2009年から2012年の7月の二酸化炭素の濃度

野崎:GPSや天気予報に衛星が使われているのは知っていましたが、宇宙まではなかなかつながりません。今お話を伺って知識としては入ってくるものの、実生活の中で宇宙は遠いいです。でも地球の温暖化には関心があって、二酸化炭素の量が関係していることも知っていました。地球温暖化の問題を、国単位ではなく地球全体として大きく考えなければならない時に、二酸化炭素の濃度を色分けした世界地図を見るとイメージしやすくて、分かりやすいと思いました。
大沢:私は貧困問題などに興味がありますので、衛星が二酸化炭素の量を調べることによって、その国が経済的に豊かどうかも分かるという話がとても印象的でした。人工衛星や宇宙というと理系のイメージですが、文系にも関わってくるんだなあと思いました。

宇宙からの情報をどこに配信したら一般の方たちに届けられると思いますか?

野崎:私は主に情報をツイッターから得ます。ニュースなども、ツイッターで見ています。
JAXA:雑誌やタウン誌などの紙媒体よりも、やはりインターネットからの方が多いですか?
野崎:やはり、見る雑誌はファッション系になってしまいます(笑)。最近、学生の間でフリーペーパーを発行するのが流行っていて、内容は旅行だったりファッションだったりといろいろです。フリーペーパーは友達からもらって読みますし、渋谷などにはフリーペーパー専門店があるので、買い物のついでに寄る人もいると思います。
JAXA:そのようなフリーペーパーで、JAXAの人と話したことを紹介してもらうのも良いかもしれませんね。
野崎:そうですね。フリーペーパーを作っている学生側もネタに困っているという話を聞きますので。

JAXA:イベントなどに来た方にで広報の一環としてJAXAのグッズを渡していますが、もらったらすぐに使ってみようと思うグッズは何ですか?
野崎:携帯ストラップやシールは使うと思います。
大沢:手帳にシールを貼っている子がけっこういます。大きいシールをファイルに貼っている友達もいますね。

大学生がよく話題にすることは何ですか?

大沢:ファッションの話もしますが、旅行系の話題が多いですね。大学生は国内外問わず、よく旅行に行きます。
JAXA:旅行と人工衛星をうまくつなげられると、学生に関心を持ってもらえるかもしれませんね。
野崎:学生は旅行雑誌をよく見ますので、自分が行きたいと思う場所の宇宙から見た写真があるといいかもしれません。例えば、ピラミッドを宇宙から見た写真があると、ものすごく面白いと思います。
JAXA:JAXAの「だいち」ギャラリーにはまさにそのような写真がたくさん掲載されていますが、一般の方にはあまり知られていません。 JAXAのフェイスブックのページを作って紹介するなど工夫が必要かも・・・。

「だいち」が撮影した地球の画像を見ながら、岩本の説明に聞き入るお二人

野崎:そうですね。それを見て面白いと思ったら「いいね」ボタンを押して、みんなにどんどん広がっていきます。
JAXA:ところで、宇宙旅行はどう思いますか?
野崎:周りで宇宙旅行をしたいという言う友達はけっこういます。自分が生きている間に、海外旅行と同じくらいの数十万円くらいで行けるようになればぜひ行きたいです。

宇宙やJAXAにもっと関心を持ってもらうために、どうすればよいと思いますか?

野崎:普通の大学生は、JAXAにけっこう興味を持っていると思います。だから、JAXAの方たちが私たちに話をしてくれる機会があったら、みんな、面白そうって興味を持つと思うんです。そして話を聞く機会が増えれば、さらに深く関心をもつ人も現れると思います。今日、携帯電話のGPSが宇宙を利用したものだと聞いて、言われてみれば確かにそうだなあって思ったんです。携帯をたくさん使っているわりに、宇宙を身近に感じていなかったことに、ビックリしてしまいました。でも他にもきっとそういうことがあると思うんですよね。
大沢:衛星の観測画像が、環境や貧困問題にも役立つということを、大学の講義で紹介してくれたら、大学生も関心を持つと思います。また、NGOやNPOの団体の人は、そのような国際問題に取り組んでいますが、もしも今、衛星の画像をうまく活用できていないのならば、それをもっと使えるようにしてほしいと思いました。
JAXA:JAXAの職員が大学の理系の授業に講師として行くことは多いんですが、文系の授業にはあまり行ったことがありません JAXAの人と話す機会が、大学のゼミなどであったらどう思いますか?
大沢:宇宙の話はみんな興味を持つと思いますので、とても面白いと思います。私自身もそうですが、周りにも国際問題に関心を持っている子が多いので、そのことに宇宙をつなげていくと、宇宙にも興味を持つ人はきっといると思います。
野崎:でもいわゆる特別講演のような場合は、宇宙は理系だから文系の私たちには関係ないと思ってしまうんです。それで躊躇して行かない子が多いと思いますので、普通の授業の一環で、ゲストとして話をしに来てほしいですね。私は、国際協力などに興味がありますので、今日のお話の中で、地球観測衛星が宇宙から国境のない地球を見られることが、とても素敵だと思いました。宇宙の話だけでなく、宇宙から見た地球の話もぜひ聞いてみたいです。
JAXA:もともとJAXAグッズを大学生に企画してもらったら面白いかなと思って座談会を企画しましたが、実際に学生と話してみると、衛星画像などJAXAが持つ知的財産を活用して、もっと社会に貢献していった方がよさそうですね。今日の話を参考に、人工衛星をもっと身近に感じていただくために、取り組んでいきたいと思います。

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