ページの先頭です。
本文へジャンプする。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

日本とロシアの技術の結集による成果

きらり(OICETS)プロジェクト高橋 伸宏

Q.「きらり」の打上げは今までのJAXA衛星と違い、海外(カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地)からの
     打上げとなりましたが、射場での高橋さんのお仕事について教えてください。

A.私の肩書きとしては、打上げ・追跡管制隊(打上げの時に特別に構成される組織)の技術係、計画係というものです。技術係ではロケットと衛星を組み合わせて行う試験など技術的な作業を行いました。 具体的にはロケットと衛星のお互いの電波が干渉しあわないかを確認する試験をしたり、ロケットと衛星をつないでいるケーブルの電気的な試験をしたり、 サイロ(地下にあります)の中に入っている人工衛星と8キロ離れた作業エリアとで通信をしながら衛星の操作を行ったりしました。一方、計画係の主な仕事はロケットとの調整作業や打上げスケジュールの全体的な管理でした。

Q.どんなときにやりがいを感じましたか?

「きらり」は契約からわずか13ヶ月で打上げられました。国産ロケットでもこれだけ短期間で打上げられることはありません。しかもロシアのロケットで打上げることはJAXA初のこと。 短期間、少人数、言語と文化の壁、これらの困難を乗り越えて計画通り、2005年8月に打上げることができた時、大きな達成感を感じました。「絶対に打上げる!」という強い熱意と日本とロシアの技術の結集による成果だと思います。

Q. 「困難を乗り越えて」ということですが、ぜひ苦労した話についても聞かせてください。

画像:きらり(OICETS)プロジェクト 高橋 伸宏

まず、バイコヌール宇宙基地に行くまでが大変でしたね。モスクワからバイコヌール宇宙基地に行くための航空券は日本で購入することができないし、入場申請は45日よりも前にロシア宇宙庁に対して行う必要があったし、 ホテルの予約だけでなく、空港からの移動手段、支払う通貨の確認や食事の手配までロシアに対する前知識が全くなかったので・・・。本来は技術的な仕事に専念したいのですが、旅行代理店業務ができないと射場作業が全くできないわけです。
ロシア人は人柄の良い人達なので心配の多くは杞憂でしたが、文化・言語に起因する認識違いは多々ありまして、それが打上げスケジュールに影響するときには冷や汗をかきました。

Q.高橋さんが宇宙開発を志したきっかけはなんだったんですか?

画像:きらり(OICETS)プロジェクト 高橋 伸宏

「きらり」は世界最大の貨物機アントノフAN-124-100という貨物機で輸送し、6月7日にバイコヌールへ到着しました。ところが、他の衛星プロジェクトの作業の遅れがあり、「きらり」が作業する場所にその衛星が居据わったままという事態が発生。 「きらり」の作業場所が空かないということがわかったのが、「きらり」を輸送する数日前で、貨物機のスケジュールは変更できずそのまま輸送するしかありませんでした。予定外の事態に、私は急遽その貨物機に搭乗して衛星と一緒に旅立つことになりました。
20人位の人数で射場作業を開始する予定でしたが、衛星到着後すぐに作業を開始できないと判断されたため、わずか5名で射場作業を開始しなければなりませんでした。スケジュールの組みなおし調整などに連日苦労しました。 さらに、バイコヌールに到着しても、オフィスは工事中で、今日はカーテンをつける、今日はポットを設置するなど、オフィスも日々進化していきました。
生活面では毎日のようになにかしらのサプライズが続きましたが、衛星作業に関しては事前調査や準備に力を入れたため、到着後の作業が遅れた以外は順調でした。

Q.今後会社でどんなことをやりたいですか。

JAXAでは多額の費用を投資し、普通の会社や個人ではできない技術研究を行い、将来の日本の産業や生活に役立つことをしております。どちらかと言うと一部の人むけの事業です。 より多くの人に役立つアプリケーションづくりがしたいです。
極端な例かもしれませんが、「宇宙が人の心理面にどのような影響を与えるのか」とか研究してみたいですね。よく、「満月のときの犯罪率が高い」とか、「月の満ち欠けが災害に影響している」とかいわれていますが、 天体の動きが社会にどう影響するのか調べてみたいです。もしその法則をみつけたら、それを有効活用すればいいと思うんです。便利なものは使うべきです。 生年月日からどうして人の性格が占えるの?とか言う人もいますけど、どうしてわかるのかなんて知らなくてもいいと思うんです。パソコンの仕組みがわからなくても便利だから使う。それと同じですよ。

Q.宇宙開発をしていなかったら、今何をしていると思いますか?

画像:きらり(OICETS)プロジェクト 高橋 伸宏

占い師かなぁ(笑)。でも職業にするにはうさんくさい?やっぱり趣味程度にしておくのがいいですよね。
よく発想がすごい(変)って言われるから、キャッチコピーとかイベントとか企画考えるのも楽しいかもしれないね。そういう職種ってなんていうの?クリエーターですか。じゃあ、クリエーターになっていたかもしれませんね。

Q.そんな高橋さんのマイブームは?

車集めです。いまさらのブームではありませんが、永遠のマイブームです。古い車が好きで、修理をするにも部品が見つからない。 それならば同じ車を部品取りとしてストックしておこう!ということなんです。80坪の土地を月3万で借りて愛車たちの駐車場にしています。はっはっはっ。休みの日には作業用のつなぎを着て駐車場で整備や洗車をしています。もちろんドライブも大好きです。

最後に読者へ一言お願いします!

宇宙の仕事は想像もつかない出来事ばかりです。困難なことも多いですが、あとになれば良い経験になります。いろんなことに興味をもち、多くの経験をすることで世界を広げてください。 Давай!(ロシア語でダバイと読みます。Come on!というような意味)
人工衛星の歴史はまだ半世紀。日本が世界に誇れる技術を持ち続け、より多くの人に宇宙を身近に感じてもらえるようにがんばります。

過去のインタビュー一覧

本文ここまで。
画像:ロケットの情報を掲載 ロケットナビゲーター
画像:宇宙から見た地球を紹介 地球観測研究センター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
ページTOP