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革新的技術で宇宙に初挑戦!!

旭光電機株式会社 技術部開発課 課長森 惣平

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)は、将来の超低高度軌道からの地球観測に必要な技術の実証を行います。 「つばめ」の「小型高分解能光学センサ(SHIROP)」は、質量 19.4kg、口径 20cm の小型の光学センサでありながら、地球周回軌道から地上を高分解能で撮影することができるセンサです。 SHIROPの撮像部の電気系を開発した旭光電機株式会社の森惣平さんにお話をお聞きしました。

画像:slatsインタビュー:旭光電機株式会社 技術部 開発課 課長 森 惣平

森 惣平さん

―「つばめ」のどのような部分を担当したのですか?

当社はSHIROPの撮像部の電気系、具体的には画像素子を搭載した撮像基板やそれを制御する信号処理基板を開発(設計・製作・評価)しました。 また、運用時に地上で使用するソフトウェア等も担当しました。「つばめ」は他の人工衛星に比べて非常に低い高度を飛行しますが、当社が開発した製品は、この特徴を生かして地表を高分解能に撮像することが可能です。 人工衛星は高速で移動しているので、短い露光時間で撮像しないとブレた画像になります。 しかし、露光時間が短いと光量が足りず、ザラザラとしたノイズの多い画像になってしまいます。 この問題を解決するには、被写体の移動に合わせて露光時間を積算していくTDI(Time Delayed Integration)という技術があるのですが、当社はこの技術を独自の方法で、低コストに実現しました。

画像:slatsインタビュー:旭光電機株式会社 通常モード

通常モード

画像:slatsインタビュー:旭光電機株式会社 TDIモード

TDIモード


試作基板を河川敷に固定して新幹線を撮像した画像。通常モードだと新幹線がブレた画像になってしまうが、TDIモードでは動いている新幹線はブレずにクリアに写り、逆に背景がブレた画像となる。

―開発の際、特に苦労したのはどんなことでしょうか?

当社は自動ドアのセンサや産業機器等で技術を蓄積しているものの、宇宙分野については全く経験がありませんでした。 そこで重要になったのが、一緒に仕事をさせていただいた宇宙関連会社の方々との連携です。 ここで、当社の様な新規参入者が経験豊富な宇宙関連会社の協力を得るには、常に革新を続けることが必要だと考えています。 前述のTDIは当社の重要な革新技術ですが、それだけではとても不十分です。 例えば今回の開発中、ある部品に対し宇宙放射線の影響を評価する必要があったのですが、その部品は特殊な構造をしていたため、これまで知られていた方法では実施することが困難でした。 そこで当社は日本中の部品加工業者に連絡し、部品を分解して特殊な加工を施し、独自の方法で評価を完遂しました。 設計に限らず生産、評価、さまざまな面で革新を続けることで、JAXAさんや宇宙関連会社からの期待に応える協力関係を維持できたと考えています。 開発を進めるうえで宇宙機器特有の様々な制約事項に直面しましたが、本質的には当社の様な新規参入者には既存のノウハウの真似事が求められているのではなく、 新しい手法、新しい考え方を生み出す役割が期待されているのではないでしょうか。

画像:slatsインタビュー:旭光電機株式会社 宇宙放射線に対する評価用の電子基板

宇宙放射線に対する評価用の電子基板

―宇宙に関わる仕事のやりがいは?

自然現象と密に触れ合いながら物づくりという実態の明確な仕事ができることです。 私は子供の頃から理科だけは得意で、自然現象を観察して誰も考えないようなことを考えるのが好きでした。 大学で物理学を学んだあとは、実態の明確な仕事をしたくて製造会社に就職し、様々な業界の開発に関わってきました。 宇宙業界の仕事は、宇宙放射線の半導体への影響のようにミクロな視点で議論される現象から、 超高層大気のようにマクロで多数の要素が複雑に絡み合った現象まで、さまざまな自然現象と向き合いながら進められるという点で気に入っています。

―森さんが旭光電機を就職先に選んだ理由は?

転職する際、それまでの経験を土台に新しいことにチャレンジしたいと考えていました。 その中で、宇宙に全く経験のない神戸にある会社(旭光電機)が宇宙分野に取り組もうと人員を募集していることを知りました。 正直初めは無謀とも思えたのですが、もしこの案件に全力で取り組んだら、いったい何が見えてくるのだろう、どのように成長できるのだろうということに興味が芽生え、思い切って飛び込みました。 また、会社のある神戸は田舎でも大都会でもないこぢんまりとした暮らしやすい街であったことも魅了された点です。

画像:slatsインタビュー:旭光電機株式会社

旭光電機株式会社

―これからの目標を教えてください。

2017年12月23日、同僚と種子島宇宙センターから「つばめ」の宇宙への旅立ちを見送りました。SHIROPの開発は私たちを色々な面で成長させてくれました。 そして、応援してくださった社内・社外の皆様に深く感謝すると同時に、今後はこの素晴らしい経験を生かしてさらに新しいことに挑戦し、新しい価値を生み出していく責任があると感じました。 現在、SHIROPの開発で得た技術を応用し、欧州の研究所と将来の観測装置について共同で検討を行っています。 先日は本件で欧州を訪問したのですが、仕事の後は訪問先の研究者の方と2人で夜遅くまで議論しました。 様々な地域の方との交流を通し、多様な考え方、価値観に触れて知見を広げていけるのも今の仕事の魅力の一つです。

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通信測位衛星

運用が終了した衛星

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