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人工衛星プロジェクト だいち(ALOS) 最新情報詳細

人工衛星プロジェクト だいち(ALOS)をご紹介します。

だいち(ALOS)陸域観測技術衛星

概要ミッション技術と開発スケジュール仕様プロジェクトの目的


最新情報詳細
2011年8月19日
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)データを利用した南極の氷の移動速度分布図を世界で初めて作成

このたび、NASAジェット推進研究所(JPL)(*1)およびカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)が複数の衛星の合成開口レーダ(SAR)画像を用いて南極大陸の氷の移動速度分布図を世界で初めて作成するにあたり、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、「だいち」搭載のフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)(*2)のデータを提供しました。
「国際極年(*3)の2007年〜2009年を中心として、CSA、ESAからもRadarsat 1/2, Envisat-ASAR, ERS-1/2のSARデータが提供され、これにより、複数の衛星、複数時期(1996年〜2009年)のデータを用いて南極氷河の移動速度分布が南極大陸全体にわたって計測されました。計測結果は、気候変動の追跡や将来の海面の上昇予測に重要な役割を果たします。

南極の氷の移動速度分布図は、JPLの世界的に著名なEric Rignot博士とそのグループが作成したもので、8月18日(日本時間8月19日)の米科学誌「サイエンス」電子版に掲載されました。
「Ice Flow of the Antarctic Ice Sheet」E.Rignot,J.Mouginot,B.Scheuchl

【図】PALSAR、Radarsat-2, Envisat等を使用して作成した南極の氷の移動速度分布図


(C)NASA Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio
南極大陸全体に及ぶ数千の氷を運ぶ氷河の巨大なネットワークがアニメーションで表現されています。

この画像は3000以上の衛星画像を使用しています。DEM(数値標高モデル)を用いて地上投影した後、海岸に沿って分布する不動点を用いて、速度を再校正した300m分解能の速度分布図です。東南極域では年に4〜5m、氷河や棚氷(海に浮く氷)では年に250mペースの速度分布が見られ、これは内陸から南極の海岸へ巨大な氷河が海へと流れ込む速度を示しています。その中でもパインアイランド氷河(Pine Island)やスウェイツ氷河(Thwaites)は、最も早い移動速度を示しています。(図中A)
南極半島では全体に移動速度は速く、これが氷河が海へと溶け出し、氷河の崩壊につながっています。世界で初めて作成されたSAR衛星による南極の氷移動速度の計測は南極の氷の移動に対する理解を更に深めるものと思われます。

■本成果に対するUCIの発表文 ●英語 ●日本語

(*1)ジェット推進研究所 JPL(Jet Propulsion Laboratory)
NASAの深宇宙や無人探査機等の研究および運用に携わる研究所で、1943年に流れの解析で有名なVon Karman博士が中心に設立した研究所です。この研究所は1970年代後半以降、SARの研究でも世界をリードしており、今回の研究は干渉SARの使用を中心としたもので、それら成果が反映されたものです。

(*2)フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)
PALSARは天候、昼夜の別に関係なく氷を含む地表の状態を観測できること、計算機を用いた画像の自動処理が可能なことから、データ取得後数日以内に分解能500メートルの簡易画像を作成し、それらを集めてモザイク(貼り合わせ)画像を作成しています。「だいち」の1回帰(46日)をかけて、1枚の極域の広域画像を作成することができ、その画像を長期にわたって比較をすることで、極域における氷の変化、土地被覆の変化状況などを把握することができます。これまでに、いくつか時期のモザイク画像を作成し、以下のサイトを通して公開しています。

(*3)国際極年(International Polar Year)
2007年3月1日から2009年3月1日までの2年間にわたり、北極と南極についての研究を60以上の国が参加して実施するもので、特に、氷の変化がもたらす海面の変化や、気候変動が極地に生息する動物へ与える影響等に焦点が当てられます。これに対してJAXA、米国航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration、NASA)、欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)、カナダ宇宙庁(Canadian Space Agency、CSA)等の宇宙機関は自機関の衛星を用いて極域を集中的に観測することとしました。
特に、JAXAは「だいち」搭載のセンサ(PALSAR)を用いて、北極、南極を定期的(1年間に2〜3回)に観測し、極域における氷の減少、時間的な変化を観測しました。


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