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2019年9月4日更新
2019年8月ブラジル・アマゾンの
林野火災に関する衛星観測

南米ブラジルのアマゾン周辺における森林や農地において、2019年8月から大規模な林野火災が発生しており、その後も被害が拡大しています。 本稿ではこの林野火災に関するJAXAの地球観測衛星による観測結果の一例をご紹介します。 それぞれの衛星の特徴を生かし、「しきさい」(GCOM-C)では火災地点や煙の検知、「だいち2号」(ALOS-2)では森林面積の変化の監視、「いぶき」(GOSAT)では火災からの煙の検知を行うことができます。

■ 火災検出と火災位置の推移(「しきさい」(GCOM-C))

図1-1(a)から図1-1(d)は、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)に搭載した「多波長光学放射計」(SGLI)の赤外線観測データによる2019年8月のアマゾン林野火災検出状況を示します。 人工衛星は、アマゾンのように数千kmといった広い範囲を継続的にとらえ、広域の災害の全体像を把握することが可能です。このうち、図1-1(a)は2019年7月のアマゾン付近のGCOM-C雲なし可視画像に、 8月17日から28日までのうち5日間で、アマゾン地域で検出された林野火災検出位置を観測日別に色分けして示したものです。林野火災が継続している様子が分かります。水色□は、図1-1(b)から図1-1(d)の範囲を示します。紫色□は、図2-2の範囲を示します。
図1-1(b)は8月17日のアマゾン中心部リオ・ノーヴォ国立公園南東の都市、カチンボ付近の拡大画像です。凡例は図1-1(a)と同様に観測日別の林野火災検出位置を示しています。 図1-1(c)および図1-1(d)は、それぞれ8月17日と8月28日のGCOM-C可視画像に同日の火災検出位置を赤色で示したものです。 これらの図を総合すると、過去に森林を開拓したフィッシュボーン(魚骨の形のようにみえる森林伐採の後)の地域では、8月17日から28日までの2週間、それぞれ別々の火災として、継続して林野火災が発生していることが判読できます。 GCOM-Cの特徴である250m分解能と平均2日に1回の観測により、林野火災発生場所の推移を把握することができています。

(a): アマゾン周辺広域(2019年7月のGCOM-Cの雲なし可視画像) 
(b): アマゾン中央部 (2019年8月17日可視画像)

(a)

(b)

(c): アマゾン中央部 (2019年8月17日可視画像)
(d):アマゾン中央部 (2019年8月28日可視画像)

(c)

(d)

図1-1:GCOM-Cによるアマゾン林野火災検出位置
(a):アマゾン周辺広域(2019年7月のGCOM-Cの雲なし可視画像)
  (b):アマゾン中央部(2019年8月17日可視画像)
(c):アマゾン中央部(2019年8月17日可視画像) (d):アマゾン中央部(2019年8月28日可視画像)

■ 林野火災にともなう煙の観測
(「しきさい」(GCOM-C)、「いぶき」(GOSAT))

GCOM-Cでは、火災の位置だけでなく、煙の分布もとらえることができます。 衛星から地球を斜めに偏光観測すると、林野火災の煙が明るく見えます。 図2-1は、2019年8月11日から20日の煙の分布です。GCOM-Cは世界全域の煙を観測しています。
(参考:GCOM-C偏光観測についてはこちらを シベリアの火災についてはこちらをご覧ください。)

図2-1:GCOM-Cで観測した煙の分布(2019年8月11日~20日)

図2-1:GCOM-Cで観測した煙の分布(2019年8月11日~20日)

煙の分布は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)でも捉えられました。図2-2はGOSATに搭載の「雲・エアロソルセンサ」(TANSO-CAI)による2019年8月23日午前2時頃(日本時間、以下同様)の観測画像です。 この画像は、ブラジルの中央部に位置するリオ・ノーヴォ国立公園の近辺や、アマゾン川の支流テレス・ピレス川流域で大規模な林野火災の瞬間を捉えています。 TANSO-CAI画像では、目に見えない近紫外380nmバンドを使うと、北北東に流れる林野火災の煙に含まれる煤が灰色に表現され、白いまだら雲と区別することができます。 緑に発色しているのが森林、青く発色しているのが畑です。川の流域からの幾つもの小さな煙は、区画整理された畑付近から燃え上がっていることがわかります。 一方、国立公園の近くから発生している大きな煙は、山深い森林の畑付近から燃え上がっていることが分かります。

図2-2:リオ・ノーヴォ国立公園の近辺、及びテレス・ピレス川流域における林野火災からの煙

図2-2:リオ・ノーヴォ国立公園の近辺、及びテレス・ピレス川流域における林野火災からの煙

■ 火災にともなう森林面積の減少(「だいち2号」(ALOS-2))

陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)ではLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)を搭載しており、この合成開口レーダは、昼夜や天候の影響を受けずに観測が可能であり、雲や煙に覆われている個所でもその下の地表面の様子を捉えることが可能です。 また、合成開口レーダで森林を観測すると樹木の多いところは明るく、一方少ないところは暗く映し出されることから、時期の異なる観測画像を比較することで森林火災も含めた森林の変化を把握することが可能です。
図3-1はアマゾン付近を対象として、ALOS-2に搭載のPALSAR-2による2019年8月12~25日の観測データから検出した森林面積の減少域を赤色で示したものです。 ここで示した森林面積の減少は、独立行政法人国際協力機構(JICA)とJAXAが開発・運用している「JICA-JAXA熱帯林早期警戒システム(JJ-FAST)」(※1)の公開情報をプロットしたものです。また、図3-2は図3-1の黄色四角付近の拡大画像で、図2-2と概ね同じ範囲を示しています。
※1:JJ-FAST運用サイト https://www.eorc.jaxa.jp/jjfast/

図3-1:ブラジル付近におけるALOS-2による森林面積減少域の検出結果(赤プロット, 2019年8月12~25日)

図3-1:ブラジル付近におけるALOS-2による森林面積減少域の検出結果(赤プロット, 2019年8月12~25日)

図3-2:図3-1の黄色四角付近の拡大で図2-2と概ね同じ範囲を示す(赤プロットはALOS-2による2019年8月12~25日の森林面積減少域の検出結果)

図3-2:図3-1の黄色四角付近の拡大で図2-2と概ね同じ範囲を示す
(赤プロットはALOS-2による2019年8月12~25日の森林面積減少域の検出結果)

図3-3(左)
図3-3(中)
図3-3(右)

図3-3:図3-1の一部拡大。背景はPALSAR-2 HV偏波画像で、左:2019年7月、
中央:2019年8月観測、右:2019年8月観測画像に森林面積減少域を重畳

図3-3はALOS-2/PALSAR-2のHV偏波画像に図3-1と同じJJ-FAST検出結果を赤色ポリゴンで重畳したものであり、左は2019年7月、中央は同8月に観測、右は同8月に観測された画像に森林面積減少域を重畳したものです。 L-band SAR画像では森林域は基本的に比較的明るく見えます。図3-3においてJJ-FASTで検出されている箇所は、2時期の間で森林域に変化があることが目視でも見ることができます。

ここでは、3種類のJAXA地球観測衛星データによる林野火災を捉えた例を紹介しました。それぞれの異なる特徴を持つ衛星データを複合的に利用すれば、林野火災にともなう煙の様子、火災検出、森林面積の変化の様子などを見ることができます。

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